OpenAIへの投資に踏み切るMicrosoftとは対照的に、GoogleはAI技術の公開に二の足を踏んでいる。Googleが抱える複雑な事情を専門家が解説する。
MicrosoftはOpenAIへの積極的な投資を続ける。OpenAIは人工知能(AI)技術を活用したチャットbot(AIチャットbot)「ChatGPT」や、画像生成AIエンジン「DALL・E 2」を手掛けるAIベンダーだ。この投資により、MicrosoftのライバルであるGoogleには対抗策が必要になった。
MicrosoftによるOpenAIへの投資やChatGPTの人気に対してGoogleがどのように反応するかを、人々は注視している。Googleは、同社の検索の根本を脅かしかねないChatGPTへの対抗策を練っている最中だ。同社の検索サービス「Google検索」は今のところ、メディアや調査レポートの情報に大きく依存している。
英紙Timesによると、Googleの親会社AlphabetのCEOサンダー・ピチャイ氏は、Googleの創業者ラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏に、ある要請をした。それは「新たなAIチャットbotと画像生成ツールに関する設計および開発の支援」だという。
「Googleは、AIモデルを提供できる他の誰かによって、自社の検索サービスが“壊滅”してしまうことを強く意識している」。調査会社Nemertes ResearchでCEO兼アナリストを務めるジョナ・ティル・ジョンソン氏はこう語る。
AIモデルを開発するために社外に協力を依頼する必要がない点において、GoogleはMicrosoftよりも「勝っている」とジョンソン氏は指摘する。Microsoftはさまざまな企業を買収し、ときにはその企業の機能を自社に取り込んできた。Googleにはそうした傾向はないという。「Googleは自家製にこだわる傾向がある」(同氏)
調査会社Forrester Researchのアナリスト、ウィル・マキーオン・ホワイト氏が考えるGoogleの主な問題は、自身が手掛ける「ジェネレーティブAI」(生成型AI)のほとんどを、2023年1月時点でまだ公開できていない点だ。ジェネレーティブAIは、AI技術でテキストや画像などを自動生成するAIモデルを指す。
「恐らく何らかの事情がある」とホワイト氏は言う。同氏が推測する理由は以下の通りだ。
第4回は、GoogleとOpenAIの違いを考察する。
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