「ChatGPTの衝撃」の3年前には既に始まっていたMicrosoftとOpenAIの“蜜月”MicrosoftとOpenAIのタッグがもたらす意味【第1回】

OpenAIの「ChatGPT」に世界が湧いている。この盛り上がりの気配すらない頃から、MicrosoftはOpenAIへの投資を継続してきた。2019年に始まった、MicrosoftのOpenAIへの投資を振り返る。

2023年03月02日 10時30分 公開
[Esther AjaoTechTarget]

 さまざまな臆測が飛び交う中、Microsoftは人工知能(AI)技術ベンダーOpenAIに対して、複数年にわたって数十億ドルを投資する計画を認めた。OpenAIはAI技術を活用したチャットbot(AIチャットbot)「ChatGPT」や、画像生成AIエンジン「DALL・E 2」を手掛ける。MicrosoftがOpenAIに投資するのは、これが初めてではない。

全ては「2019年」に始まった

会員登録(無料)が必要です

 両社が初めて提携したのは2019年のことだ。同年7月、MicrosoftはOpenAIへの10億ドルの投資を発表した。2021年には、OpenAIの自然言語処理AIモデル「GPT-3」の独占ライセンスを獲得した。今回の投資は、OpenAIが独自に進めるAIモデルの研究開発スピードを上げるために、専用のスーパーコンピュータの開発と配備を進めることが目的だとMicrosoftは説明する。

 Microsoftは、同社の企業向けと一般消費者向けの製品に、OpenAI製のAIモデルを導入する。一例として、OpenAI製のAIモデルを使用できるAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)サービス「Azure OpenAI Services」がある。継続してOpenAIの研究開発を支援する意向だ。

 2022年11月、OpenAIはChatGPTを公開した。ChatGPTは正確性に対する懸念や盗作を助長する可能性が取り沙汰される中でも、世界中で利用が急速に広がっている。例えばChatGPTは、以下を実行可能だ。

  • 文章の執筆
  • プログラムのソースコードの作成
  • 問い合わせへの事実に沿った回答

 第2回は、Microsoftが今回の投資に踏み切った背景を解説する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

技術文書・技術解説 サイオステクノロジー株式会社

平気でうそをつくLLM、正直者へと変身させるRAGアプリケーションの作成法とは

LLMはビジネスに計り知れない恩恵をもたらす可能性を秘めているが、問題点の1つは、平気でうそをつくこと(ハルシネーション)だ。そこで、この問題を解決するために役立つ、RAGアプリケーションの作成方法を紹介する。

市場調査・トレンド ServiceNow Japan合同会社

AIを利用して組織全体の生産性を向上させる方法とは?

生成AIの登場によって、AIを業務活用しようとする企業が増えてきている。しかし、AIをどのような形で導入すればよいのか悩んでいる企業も少なくない。本資料では組織全体にAIと生成AIを組み込む方法について解説する。

技術文書・技術解説 Asana Japan株式会社

AI導入の現在地:知っておくべき6つのメリットと「2026年問題」とは?

労働力不足の解消や生産性の向上など、多くのメリットが見込める、職場へのAI導入。一方、LLM(大規模言語モデル)の学習データが枯渇する「2026年問題」が懸念されている点には注意が必要だ。それによる影響と、企業が取るべき対策とは?

市場調査・トレンド Asana Japan株式会社

AI活用がカギ、最新調査で読み解く日本企業がイノベーションを推進する方法

現代のビジネス環境下で企業が成長を続けるには「イノベーション」の推進が不可欠だ。最新調査で明らかになった日本企業におけるイノベーションの現状を基に、イノベーション推進の鍵を握るAI活用やベロシティ向上の重要性を解説する。

製品資料 SB C&S株式会社

ワンランク上の「AI+PDF」活用、生産性・効率を飛躍的に向上させる秘訣

今やビジネスを中心に、多様な場面でやりとりされているPDF。このPDFをより便利にするためには、文書の能動的な活用がポイントとなる。本資料では、アドビの生成AIを用いながら生産性や効率を飛躍的に向上させる活用方法を紹介する。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...