データ分析ツールベンダーのTIBCOと合併した、仮想化ベンダーのCitrix Systems。両者はなぜ合併したのか。この変化がもたらす影響とは。合併のいきさつと影響を説明する。
2022年9月、仮想化ベンダーのCitrix Systemsは、データ分析ベンダーTIBCO Softwareと合併した。この合併にはユーザー企業にとって、疑問に感じる点がある。例えば「そもそも合併相手のTIBCOとはどのようなベンダーなのか」「なぜCitrixとTIBCOが合併するのか」などだ。
Citrixは合併後、2022年10月にプロジェクト管理ツールベンダーのWrikeを分離させた。これにより、ようやく落ち着いて本業に集中できるようになった。
「中核事業に集中する」というCitrixの事業戦略は、投資ファンドのElliott Investment ManagementがCitrixの株式を取得し、Elliott関係者を取締役陣に据えた2015年に端を発する。この結果、CitrixのCEOは数人交代し、Web会議ソフトウェアの「GoTo Meeting」やアプリケーション開発ツールの「Octoblu」といった事業部門の一部を売却したり、完全に撤廃したりした。それ以来Citrixは、セキュリティやデータ分析といった活気のある市場にビジネスを移行させ、投資ファンドにアピールしているように見えた。
最終的にElliottはCitrixへの再投資を決め、さらに多くの株を取得した。2022年4月にElliottは、投資ファンドVista Equity Partners ManagementとEvergreen Coast CapitalにCitrixを売却。この取引の結果、VistaとEvergreenは新しい持ち株会社Cloud Software Group Holdingsを設立し、その下でCitrixとTIBCOの両ブランドを存続させることにした。Cloud Software GroupのCEOは半導体ベンダーBroadcom元幹部のトム・クラウス氏が務める。
次回は、TIBCOとの合併がCitrixにもたらす影響を考える。
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