仮想化ベンダーのCitrixが投資ファンドに買収される。これにより、同社はDaaS事業をより充実させる可能性がある。
Citrix Systemsは、投資ファンドVista Equity Partners ManagementとEvergreen Coast Capitalの傘下企業になる。両投資ファンドが2022年1月に発表した。仮想化大手であるCitrixの製品ラインアップは、さまざまなデバイスでアプリケーションをシームレスに利用するためのデジタルワークスペース製品群「Citrix Workspace」を中心に構成されている。
米TechTargetの調査部門であるEnterprise Strategy Group(ESG)のアナリストであるマーク・ボウカー氏は、競合仮想化ベンダーのMicrosoftやVMwareと比較したときのCitrixの強みとして「Citrix microapps」を挙げる。Citrix microappsは、CitrixがCitrix Workspace専用に開発し、同製品と一体化させたシンプルなワークフローソフトウェアだ。
「Citrixは競合他社と比べて、デスクトップ仮想化製品群をクラウドサービス化するのに出遅れた」とボウカー氏は指摘する。今回の買収に伴って同社の注力分野が、オンプレミスインフラ向け製品からクラウドサービスへと加速度的に移行すると同氏はみる。
Vista Equity Partners ManagementとEvergreen Coast Capitalは、Citrixを買収してBI(ビジネスインテリジェンス)ベンダーのTIBCO Softwareと合併させると発表した。投資ファンド両社は2022年下半期に買収を完了させ、業務用ソフトウェアの大手ベンダーを誕生させようとしている。
「買収によって、高い成長の見込める事業分野に投資したり、イノベーションを生み出したりする財務的な余地が高まった」。Citrixの事業戦略担当エグゼクティブバイスプレジデントであるティム・ミナハン氏はこう語る。
今回の買収は、Citrix WorkspaceをはじめとしたCitrixのDaaS(Desktop as a Service)事業の改善につながると、IT調査会社Gartnerのアナリスト、トニー・ハーヴィー氏はみる。Gartnerの予測によると、DaaS市場は2025年まで毎年18%成長する。「『DaaS事業に投資して成長する』という狙いがCitrixにはある」とハーヴィー氏は話す。
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