Citrix Systemsはデータ分析大手TIBCO Softwareと合併し、Citrix製品にデータの管理や分析ができる機能を追加する。ユーザー企業にとってのメリットは何なのか。
Citrix Systemsは2022年1月31日(米国時間)、投資会社のVista Equity Partners ManagementとEvergreen Coast Capitalによる買収提案に合意したと発表した。Vista Equity Partners ManagementとEvergreen Coast CapitalはCitrix Systems(以下、Citrix)を現金165億ドルで買収し、Vista Equity Partners Management傘下のデータ分析ソフトウェアベンダーTIBCO Softwareと合併させる。買収は2022年半ばに完了する見通しだ。
1989年設立のCitrix Systemsは「デジタルワークスペース」を切り口とし、仮想化やシステム運用管理、セキュリティなど多岐にわたって製品を提供。同社によると、全世界で40万社以上のユーザー企業と約1億人のユーザーを有している。
TIBCO Softwareは1997年に設立され、データの管理や分析のためのソフトウェアを提供している。2014年、Vista Equity Partners Managementに43億ドルで買収され、非公開企業になった。
今回の買収によるTIBCO SoftwareとCitrix Systemsの合併で、Citrix Systemsの製品群にTIBCO Softwareのデータ管理・分析機能が追加されることになる。TIBCO Softwareのダン・ストリートマンCEO(最高経営責任者)は、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)によるテレワークの普及で、Citrix製品の需要が高まったことが買収のきっかけになった」と説明する。
TIBCO Softwareは「Predict」(予測)、「Connect」(接続)、「Unify」(統合)の3分野の製品開発に注力しており、それらを組み合わせて「Hyperconverged Analytics」(ハイパーコンバージドアナリティクス)と呼ぶ。具体的にはクラウドコンピューティングやビジネスインテリジェンス(BI)、データ管理といった技術を融合させ、ユーザー企業がデータをビジネスに活用できるようにしている。
買収条件によると、Citrix Systemsの株主は1株当たり104ドルを受け取る。買収はCitrix Systemsの取締役会によって承認されたが、Citrix Systemsの株主と規制当局のそれぞれの承認も必要だ。買収完了後、Citrix Systemsの株式は株式市場Nasdaqでの取引を停止し、同社は非公開企業となる。Citrix Systemsの社名とブランドは残るという。
Vista Equity Partners Managementは2021年、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)ベンダーBlue Prismの買収を目指していた。しかしVista Equity Partners Managementの入札額をSS&C Technologiesが上回り、Vista Equity Partners Managementはそれ以上の金額を提示しなかったため、買収は実現しなかった。
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