農業用AIが秘める可能性【後編】
「AIで農業は楽になる」と軽々しく口にする人は“大切なこと”を忘れていないか
AI技術は農業を省力化すると考えられている。そのこと自体は間違いではないが、実現は簡単ではない。「AIで農業が楽になる」などと軽々しく口にできないことは、農業が何を扱っているのかを考えれば明らかだ。
農業へのAI(人工知能)技術の導入が進み、ベストプラクティスが確立すれば、生産者はAI技術を最大限に活用しやすくなる。一方で農業におけるAI技術の活用には、幾つかの課題がある。
“AI信奉者”が見落としがちな「農業」の本当の難しさ
併せて読みたいお薦め記事
連載:農業用AIが秘める可能性
産業用AIの可能性
「データ収集、データ処理、ロボットの自律性は急速に向上している」。データを農場や農作物の管理に生かす「精密農業」を手掛ける、iUNUのシニアコンピュータビジョンエンジニア、デビッド・コルメナレス氏はそう述べる。将来的には農業のほとんどの手作業が自動化するというのが、コルメナレス氏の見方だ。
自動化がもたらす効果として、コルメナレス氏は次の2点を挙げる。
- 新鮮な農作物の栽培に必要な労働力が減る
- 生産者は、作物管理や経営管理といったより専門性のある業務に、知識を生かせるようになる
畑を自動で整備する自律型ロボットや自律型トラクター、剪定(せんてい)・収穫のためのITツールなどが、既に入手可能になっている。農場自体が生命という複雑な仕組みを扱うものであることを考えれば、農業にAI技術を適用することは簡単ではない。ベンダーにとっては、現場でAI技術のテストと検証をして、できるだけ多くのデータを収集し、どのような結果になれば生産者にとって最も価値があるのかを理解することが重要だ。
「農業の現場にはさまざまなエッジデバイスがある」とコルメナレス氏は語る。それらが生み出すデータを適切に処理する機械学習システムは「ベンダーが生産者と密接に連携しなければ、構築することは難しい」と同氏は強調する。
AI技術が進化するたびに生産者は、手順の合理化や作業の効率化、サプライチェーンの最適化、利益率の向上といった効果を手にする機会を得る。つまり無駄を減らして資源を節約できる可能性があるということだ。これらの改善は食品流通業に利益をもたらし、農産物の安定供給と食料の安全保障強化の実現も後押しする。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
4
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
5
AI導入が失敗する“真犯人”は現場のマニュアル 7割が陥る「標準化」のわな
-
6
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
7
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
8
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
9
Claude利用8割のGMO、AI人材の評価軸が「トークン管理」に変わった
-
10
ライオンが脱レガシーシステムのパートナーに「Google Cloud」を採用した理由
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
8
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
9
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
10
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー