SSO製品紹介:日本IBM編
アプライアンス版はIPS付きのSSO製品「IBM Security Access Manager」
クライアント/サーバ型システムのSSOを実現したい。アプライアンスで導入負荷を軽減したい。日本IBMのSSO製品群は、こうした多様なニーズにラインアップの豊富さで応える。
日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)のシングルサインオン(SSO)製品群は、用途に応じた製品ラインアップの豊富さ、アプライアンスを含む提供形態の多様さが強みだ。製品の特徴について、同社の主任ITスペシャリストを務める森 秀樹氏に話を聞いた。
連載:シングルサインオン(SSO)製品紹介
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製品の概要
日本IBMの主要なSSO製品には、Webアクセスマネジメント(WAM)製品の「IBM Security Access Manager for Web(ISAM for Web)」「IBM Security Access Manager for Enterprise Single Sign-On(ISAM for ESSO)」、IDフェデレーション製品の「IBM Tivoli Federated Identity Manager」がある。それぞれの製品について見ていこう。
ISAM for Web:リバースプロキシ型のWAM製品
ISAM for Webは、WebアプリケーションのSSOに特化した、リバースプロキシ型のWAM製品だ(画面1)。エージェント型として利用できるようにプラグインも用意するが、拡張性や汎用性からリバースプロキシ型を採用するケースが圧倒的に多いと森氏は明かす(リバースプロキシ型とエージェント型の違いについては「【製品動向】『付せんでID管理』を一掃するシングルサインオン(SSO)」を参照)。リバースプロキシ型では、認証サーバへのアクセス集中によるパフォーマンスへの影響を指摘する声もある。だが「停止が許されない認証サーバは二重化されることがほとんどであり、パフォーマンスの影響はクリアできる」という。
Active DirectoryのログオンでSSOを可能にする「Windows統合認証」にも対応。また、同社のグループウェア「IBM Lotus Notes/Domino」やミドルウェア「IBM WebSphere」といった製品については、これらの製品が標準搭載するSSOの仕組みである「Lightweight Third Party Authentication(LTPA)」の利用が可能だ。
ISAM for ESSO:クライアント/サーバ型もSSO可能
一方のISAM for ESSOは、ISAM for Webとは異なり、Webアプリケーションに加えてクライアント/サーバ型アプリケーションのSSOを実現する。
アプリケーションへのログインは、クライアント端末に導入したエージェントがID/パスワードを代行入力することで行う。エージェントには「ウォレット」というモジュールが格納されている。ウォレットは、利用者ごとのID/パスワードといった「認証情報」、SSOの画面ごとの設定である「プロファイル」を保管する。プロファイルは、管理者が作成してサーバに登録し、エージェントが定期的に同期して更新する。
ISAM for ESSOは、基本的に入力作業を肩代わりするだけだという点で、SSOの仕組みが比較的単純であり、LAN内にサーバの設置が必要なISAM for Webよりも導入が容易だ。ただし森氏は、認証基盤として導入する場合は、詳細なアクセス制御が可能なISAM for Webの利用を推奨する。「ISAM for Webは、DNSやネットワーク経路の変更といった工数が発生する。ただし、いったん導入すれば強固な認証基盤を構築できる」
IBM Tivoli Federation Identity Manager:WAM内包のIDフェデレーション製品
IBM Tivoli Federation Identity Manager(TFIM)は、OpenIDやWS-Federationといった標準的な認証規格が利用可能なIDフェデレーション製品だ。ISAM for WebにIDフェデレーション機能を追加した製品であり、ISAM for Webの機能に加えてIDフェデレーションを利用できる。既にISAM for Webを導入済み、または他社のWAM製品を導入済みの場合は、TFIMへの移行が可能なトレードアップライセンスを利用して移行する。
他社製品に対する特徴1:製品群としての相互補完性
日本IBMのSSO製品の強みは、同社が幅広くそろえるID管理製品群のメリットを活用できる点だ。
同社は、LDAPサーバの「IBM Tivoli Directory Server」、複数ディレクトリ間のデータ同期で仮想的なメタディレクトリを構築する「IBM Tivoli Directory Integrator」、統合ID管理製品「IBM Security Identity Manager」といった、認証基盤の根幹を支えるID管理製品をそろえている(図)。こうした製品群は、SSO製品群との連係が可能だ。例えばISAM for Webは、IBM Security Identity ManagerのIDプロビジョニング機能をアダプター経由で利用できる。
IBM Security Identity Managerは、対象システム間を接続する際にIBM Tivoli Directory Integratorを利用するなど、ID管理製品群自体が深く結びついている。これにより、SSOのための安定した素地を提供する。
他社製品に対する特徴2:IPS機能付きのアプライアンスを用意
もう1つの特徴は、SSOに必要なソフトウェアとハードウェアを一体化したアプライアンス版を用意する点だ。ISAM for Webのアプライアンス版として、「IBM Security Web Gateway AMP 5100(AMP 5100)」を提供(写真)。仮想アプライアンス版もあり、導入負荷を軽減したい企業には最適だ。
AMP 5100は、ソフトウェア版であるISAM for Webと比べて、アクセス制御用のポリシー定義に制限があるなど、詳細なカスタマイズはできない。ただし、セキュリティ強化の点で、ISAM for Webにはないメリットがある。それが「Pluggable Authentication Module(PAM)」である。
PAMは、不正侵入防御(IPS)製品「IBM Security Network Intrusion Prevention System(旧:Proventia Network Intrusion Prevention System)」の技術を基にしたIPS機能である(画面2)。通信パケットを解析し、攻撃を早期検知する。「保護対象サーバの前に設置するという意味で、SSOとIPSには共通点がある。そこから、SSOにIPS機能を搭載するという発想に至った」
事例:国内でのSSO導入件数は100件以上
ISAMは現在、国内で既に100件以上の導入実績がある。例えば、京都大学は、IBM Lotus Notes/Dominoを中心としたグループウェアシステムと大学職員の人事システムのSSOに、ISAMの前身である「IBM Tivoli Access Manager for e-business」を導入。さらに、複数の部局が管理するシステムの認証連係のため、TFIMを導入した。
またエクサは、プライベートクラウドとパブリッククラウドの統合認証基盤としてTFIMを導入。エンドユーザーの利便性向上や認証環境の安全性向上を実現したという。
製品価格
ISAM for Webのライセンス価格は、1ユーザー当たり3580円。ISAM for ESSOは、1ユーザー当たり8140円。TFIMは、1ユーザー当たり7870円。
ISAM for Webのアプライアンス版であるAMP 5100の標準価格は、1台当たり756万円。仮想アプライアンス版は1ユーザー当たり3580円。
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シングルサインオン(SSO)製品紹介
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