企業はいかにして情報漏えい対策を進めているのか。情報漏えい対策を進める際の課題とは何か。TechTargetジャパンの読者調査結果から明らかにする。
TechTargetジャパンは2013年1月8日から22日にかけて、TechTargetジャパン会員を対象に、企業の情報漏えい対策に関するアンケート調査を実施した。本稿は、アンケート調査から明らかになった情報漏えい対策に関する実態の一部を抜粋して紹介する。全ての結果を記載したリポートは、文末のリンクから会員限定でダウンロードできる。
目的:TechTargetジャパン会員の企業における、情報漏えい対策製品/サービスの導入状況について調査するため
方法:Webによるアンケート
調査対象:TechTargetジャパン会員
調査期間:2013年1月8日〜22日
総回答数:187件
※回答の比率(%)は小数点第1位を四捨五入し表示しているため、比率の合計が100%にならない場合があります。
情報漏えいに対する危機意識について聞いたところ、「とても危機意識を持っている」(47.1%)、「多少は危機意識を持っている」(40.6%)を合わせて87.7%が情報漏えいに対して何らかの危機意識を持っていることが分かった(図1)。Javaの脆弱性をはじめ、相次いで明るみに出る脅威が、企業の危機意識を高めている。
懸念する情報漏えいの原因については、「ノートPCの盗難/紛失」(77.5%)や「外付けHDDやUSBメモリといった外部メディアの盗難/紛失」(73.3%)、「メールの誤送信」(71.1%)を挙げる人が多かった(図2)。端末の紛失やメール誤送信といった従業員のうっかりミスへの対処は、企業の大きな課題だといえる。また、社内犯行に危機感を持つ人も多く、「従業員による社内情報の公開や持ち出し」には67.9%が懸念を示した。
情報漏えい対策を進める上で、企業が直面する課題について聞いたところ、「エンドユーザーの利便性が犠牲になる」が48.7%でトップとなった(図3)。「クライアントPCのパフォーマンスが犠牲になる」も30.5%が課題だと回答。通常業務に支障が出ないことをセキュリティ製品に求めるユーザー企業が多い。
導入済みの情報漏えい対策製品/技術については、「各種フィルタリング(URLフィルタリングなど)」の導入率が55.1%と過半数に達した(図4)。また「外部メディアの利用制限」(51.3%)の導入率も高く、外部メディアの盗難/紛失に対する懸念の強さを反映している。一方、DLP(Data Loss Prevention)の導入率は3.2%にとどまった。DLPは金融機関を中心に導入が進んでいるものの、他の業界への浸透は十分でないのが現状だ。
今後の導入に向けて比較検討したい情報漏えい対策製品/技術についても聞いた。「メール誤送信対策」と「UTM(統合脅威管理)/次世代ファイアウォール」が、同率の29.9%でトップとなった(図5)。特にメール誤送信は、懸念する情報漏えいの原因でも上位となっており、具体的な対策としてメール誤送信対策の導入が進む可能性がある。
また、現時点では導入率24.1%と比較的低い「モバイルデバイス管理(MDM)」は、26.7%が比較検討したいと回答。スマートデバイスを業務に本格利用する企業が増えるにつれて、MDMの導入率は高まるだろう。
企業の情報システム予算の中で、情報漏えい対策を含むセキュリティ予算はどの程度を占めているのだろうか。情報システム予算に対するセキュリティ予算の割合を聞いたところ、「5%以下」が54.5%と過半数を占めた(図6)。「5〜10%程度」(28.9%)と合わせると、セキュリティ予算が情報システム予算の10%以下なのは83.4%だった。
この他、セキュリティ製品の選定ポイントやセキュリティ製品の導入形態、標的型攻撃対策の状況などに関する調査も実施した。詳細な調査結果は、以下からダウンロードできる(TechTargetジャパン会員限定)。本稿では紹介しきれなかったアンケート結果を紹介している。ぜひ参照されたい。
TechTargetジャパン会員を対象にした「企業の情報漏えい対策に関するアンケート調査」を実施。本リポートでは、情報漏えい対策の導入実態や課題、情報漏えい対策関連製品の導入状況などをまとめている。
調査結果リポートのダウンロードページへ (TechTargetジャパン) |
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