医師の指示を起点とする業務プロセスに対応した機能によって、医療スタッフ間のよりスムーズな情報共有を支援する。
NECは7月8日、300床以上の病院を対象にした電子カルテシステム「MegaOak/iS」を発表した。同社によると、MegaOak/iSは長年にわたり電子カルテシステム構築に取り組んできた実績を基に、病院の業務特性やワークフローをより細かに分析して開発したという。
MegaOak/iSは、医師の指示を起点とした病院の業務プロセスに対応した機能を搭載し、医療スタッフ間のよりスムーズな情報共有を支援する。例えば、「クリニカルデスクトップ機能」では、医師が行う「指示」「カルテ入力」「文書作成」などの業務を単一画面で行うことができる。診療科や疾患など診療内容に合わせた画面を設定でき、医師の入力時の負担を軽減することが可能だ。
また「ワークアシスタント機能」によって、医療スタッフのメモや検査結果の通知などをさまざまな端末から入力や閲覧が可能。さらに検査結果の異常値など、直ちに対応が必要な患者が発生した場合のアラート通知機能も搭載している。
その他、電子カルテに蓄積されている情報の活用を支援する。検査結果や投薬、注射の状況などをピックアップして一覧表示する「モニタリング機能」、カルテ記事や各種文書、サマリー、リポートなどをマップ形式で表示する「ヒストリーマップ機能」、院内の全患者のカルテからのキーワード検索を行う「全文検索機能」などを利用できる。
MegaOak/iSは、スマートフォンやタブレット端末での利用も可能。患者のバイタル情報や投薬などの実施情報をベッドサイドで入力できるとともに、院内通話やナースコールと連携したり、医師が回診時にその場で患者の診療履歴や検査結果などを確認したりすることもできる。
NECは2006年から病院向け電子カルテ「MegaOakHR」を提供している(関連記事:適合率の高いクリニカルパス実現を支援する電子カルテ「MegaOakHR」)。今回発表したMegaOak/iSによって、電子カルテシリーズのラインアップを拡充した。
NECは両製品について、導入時のカスタマイズ性の違いを挙げている。MegaOak/iSはノンカスタマイズで導入できる「マスタープリセット」方式を採用。NECがあらかじめソフトやマスターをインストールして病院へ納入することで、システム導入や運用時のユーザー負担を軽減する。一方、MegaOakHRは事前ヒアリングを基に、病院ごとにカスタマイズしたマスターを提供する方式だ。
MegaOak/iSの価格は、300床規模の場合で2億1000万円から。NECは、MegaOakHRとMegaOak/iSによって、今後3年間で300床以上の大規模病院における電子カルテシステムのシェア40%の獲得を目指す。
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