従来型SaaS統合アプローチの限界と打開策Computer Weekly製品導入ガイド

時間と予算の制約のため、多くの組織が統合戦略の再考と、バランスの取れたソリューションの模索を強いられている。

2014年05月20日 08時00分 公開
[Saurabh Sharma,Computer Weekly]

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 企業は、Software as a Service(SaaS)とオンプレミスアプリケーションをシームレスに連携させたいと考えている。複数のエンタープライズプロセスの自動化を伴うB2B統合のシナリオに対しても同じことを期待する。そうした条件は、サービス指向アーキテクチャ(SOA)やカスタムコードの開発、統合のアウトソーシングといった従来型の統合アプローチでも満たせるかもしれない。だが、そのようなアプローチに伴う支出や導入時間は、必ずしも多くの組織の予算やプロジェクト計画に見合っているとは限らない。

 カスタムコード開発は、コードのメンテナンスとアップグレードのために高度なスキルを持った技術者をつなぎとめておく必要性があり、長期的には出費増大につながる。統合をアウトソーシングすれば、SaaSアプリケーションの総保有コスト(TCO)に加えて導入やプロジェクト管理、統合プロジェクトのメンテナンス関連の経費がかさむ。組織はそのような事態を避けたいと考える。そこで、従来型のSaaS統合に対するアプローチの限界を前に、統合戦略の再考を迫られている。

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SOAは本当に事業価値をもたらさないのか?

 SOAは従来型のアプローチの中で恐らく唯一、幅広い統合のニーズを満たすことができる。ただ、予算の確保はそれほど簡単ではない。事業部門の管理職はSOAをほとんど評価しておらず、SOA関連投資が事業価値をもたらすかどうか分からないという理由で協力に二の足を踏むと、IT責任者は不満を漏らす。

 かつてSOAプロジェクトはIT部門主導で行われて社内の事業部門はあまり関与せず、時には期待通りの結果が出せないこともあった。必然的に、SOAは宣伝過剰のアーキテクチャであり、事業価値はあったとしてもごくわずかだという評判が広まった。

 クラウドコンピューティング、特にSaaSの急速な普及により、企業のアプリケーションポートフォリオの混在性は一層増している。クラウドコンピューティングは情報の一層のサイロ化と、統合の複雑化につながりかねないという認識も広まった。英調査会社Ovumによれば、SOAの普及を促す最大の原動力は、オンプレミスとSaaSの統合や複数のエンタープライズプロセスの自動化を伴うB2B統合といった、複雑な統合ニーズに応えられる点にある。オンプレミスとSaaSアプリケーションの統合において、SOAが適しているのは以下のようなケースだ。

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