ウェアラブルテクノロジーは新たなプライバシー問題を引き起こすと、業界トップの法律事務所が警告している。ウェアラブル端末の利用によってどのようなことが起こり得るのか?
Google Glassやスマートウオッチなどのテクノロジーが職場で利用される機会が徐々に増えている。だが、従業員が隠れて写真や動画を撮影できるという、こうしたデバイスの侵害的な性質に警鐘を鳴らす経営者もいると米モリソン・フォースター法律事務所所属の弁護士、スー・マクレーン氏は語る。
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同氏はComputer Weeklyのインタビューに答えて次のように話した。「ウェアラブルテクノロジーにはプライバシーや倫理に関する大きな問題がある」
Google Glassなどのウェアラブルテクノロジーは、今後数年内に職場や家庭で新たな用途が見出だされ、それに伴い経営者にとってさらに差し迫った問題になるだろうと同氏は予想している。
米Gartnerの調査によると、2014年のウェアラブルテクノロジー市場の総売り上げは16億ドルが見込まれ、数年後には50億ドルまで成長すると予想されている。経営者はウェアラブルテクノロジーの普及に伴い、従業員がこのテクノロジーを利用する方法を管理するポリシーを制定する必要があるだろう。
例えば、Google Glassを着用した従業員が同僚との面談を録画した場合、それは「職場でのいじめ」と受け取られる恐れがあると同氏は警告する。同様に、懲戒処分を受けた従業員がウェアラブルデバイスを着用してひそかに録画した会議の様子を、訴訟手続きの場に持ち出すケースも考えられる。
「企業は、従業員がウェアラブルテクノロジーを利用する方法や理由を明確にしなければならない。ルールを理解し、プライバシーの規制や法律を順守する適切な予防措置を講じることを、従業員に義務付ける必要がある」
マクレーン氏によると、ウェアラブルテクノロジーを使用する従業員は、自分が監視されていることが分かっている場合に高い生産性を発揮するという調査結果があるという。
だがこのテクノロジーによって、経営者や労働組合が対処しなくてはならない、プライバシーとデータ保護に関する潜在的な問題が表面化する。例えば、消防士にGoogle Glassを支給し、火災発生現場での移動を助けるために平面図を表示するのは理にかなっている。しかしショップ店員にGoogle Glassを支給することが正当とはいえない。
「ウェアラブルテクノロジーの使用が適切かどうかは職種によって異なる。また、従業員が健康や安全性の観点からこのテクノロジーを必要としているかどうかにもよる」
貴重な知的財産にアクセスできる場所でのウェアラブルテクノロジーの着用は、制限または禁止する必要がある。顧客の個人情報を含む顧客記録にアクセスできるコールセンターでは、Google Glassの使用を禁じるべきだろう。
ウェアラブルテクノロジーを利用して顧客の機密データを表示する場合は、データ保護の問題が新たに浮上する。その一例を紹介しよう。
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