購入すべき製品はこれだ
IT導入でがっかりしないための「データ保護&活用ツール購入ガイド」
情報システムにおいて最も重要なのはデータだ。そのデータを保護し、活用するための最新トレンドやツールを紹介する。
企業が情報システムをアップグレードしたとしよう。それから、仮想化とクラウドコンピューティングを導入し、関連機器(ハードウェア)を設置するために新しいデータセンターを建設したとしよう。この全てにどれほどの価値があるかを考えてみてほしい。
その結果にはがっかりすることになるだろう。ハードウェアの価値は、ベンダーの倉庫から出荷された時点で30%下がる。これは開封する以前の話だ。ハードウェアのプロビジョニングに費やした時間と労力によって本質的な価値が高まることはない。その前に立って眺めているだけでも、表面価値は刻一刻と下がっている。
データにアクセスできないと始まらない
ITプラットフォームの実際の価値は、そこに保存している情報によって決まる。情報は作成、収集、管理、分析、報告に使用されるデータで構成されている。ハードウェアの価値が時間の経過とともに低下するのに対して、データの価値は高くなる。企業にとってデータを可能な限り保護することは重要な課題だ。
最初に検討すべきはデータの可用性だ。データにアクセスできなければ、企業が、データをナレッジに変えて判断を下す指針とすることは不可能だ。ビジネスの継続性は最優先事項として掲げるべきだろう。ビジネスの継続性を確保するには、N+1またはN+2以上のハードウェア冗長性モデルを基盤とした基本的な高可用性ハードウェアアーキテクチャが必要になる。
ビジネスに不可欠なデータは複数のハードウェアでミラーリングする必要がある。ミラーリングの方法はデータの重要度に基づいて決めるのがよいだろう。例えば、「同じデータセンター」「同じ敷地内にある異なるストレージ」「別の場所にあるデータセンター」のいずれかにミラーリングするという選択肢がある。
クラウドも関与している。以前、データをミラーリングするには企業がクリアすべき条件があった。その条件は「2つのリモートデータセンターを運用している」「パートナーの専用領域を高額で購入する」のいずれかだった。だが、クラウドリソースを使用すると、より安価なコストでデータのミラーリングが可能になる。
障害復旧
次に考慮すべきは障害復旧だ。企業はデータのバックアップと復旧について検討する必要がある。イメージのコピーに対応するだけでは済まなくなっているのが現状だ。データの復旧手法によっては、スナップショットと詳細なバックアップを作成することがプラスに働く場合がある。データ復旧の手法は「目標復旧地点」(RPO)と「目標復旧時間」(RTO)の2種類。RPOはデータを復旧できる最適な地点を基準とした手法で、RTOはデータの復旧にかかる時間を基準とした手法だ。この2つの手法は相関関係にある。最短時間で稼働可能な状態を保証する場合――つまり、RTO手法では――RPOを犠牲にせざるを得ない。同様に、最適な地点のデータの復旧を保証する場合、RTOは諦めるほかない。
GRCでお困りですか
データ保護には「統制(ガバナンス)」「リスク」「コンプライアンス」(GRC)という側面がある。複雑に絡み合うデータ保護法については、企業のニーズに照らして検討しなければならない。例えば、社内の情報統制、株主、サプライヤー、顧客などに対して果たすべき責務などだ。多くのサービスプロバイダーやソフトウェアベンダーは、重要なデータを取り巻くGRCに対応する各種ソリューションを提供している。医療業界の企業はHIPAA(米国における医療保険の相互運用性と説明責任に関する法令)に準拠したシステムであれば、数に制限なくアクセスできる。同様に、金融業界の企業は、CRD IV(資本要求指令IV)やバーゼルIV(銀行の自己資本比率に関する国際規制)に準拠したシステムを使用するだろう。
どのようにツールを選ぶべきか
業界固有のシステムを選ぶのは適切でない。企業は自社のデータ資産を総合的に管理する必要がある。BYOD(私物端末の業務利用)またはシャドーITアプリケーションで使用した個人情報が社外に流出した場合、企業のブランドに傷が付くか、重い罰金を支払うという状況は避けられない。場合によっては、この両方が課されることもあるだろう。
情報を重視した総合的なプラットフォームの実現を目指すことをお勧めする。データに重点を置き、データの所在に関係なくセキュリティを確保すれば、複合的なニーズに対応する作業が容易になる。最初のステップはニーズによるデータの分類だ。「公開」「機密」「極秘」という分類で十分だろう。データの種類によって取るべきアクションは決まる。公開データについては対応は不要だ。このようなデータが一般に公開されても大した問題はない。機密データと極秘データは、保管時と転送時に暗号化する必要がある。
BYODでは、セキュリティが確保されたコンテナ(サンドボックス)のみがデータにアクセスできるように制御するのが望ましい。サンドボックスでは、サンドボックス以外の場所にデータをコピー&ペーストする操作がブロックされる。例えば、サンドボックスを使用すると、業務に関連するドキュメントの送信時に不適切なメールアドレスを誤って選択することを防げる。データ漏えい防止システムは、機密データが境界を超えることを防ぐのに役立つ。例えば、米Symantec、米Fortinet、米Blue Coatなどが、このようなシステムを提供している。
米Adobeや米Docuratedなどが提供しているデジタル著作権管理機能は、デバイスに一定期間保存されている機密情報をロックしたり、安全に削除したりするのに役立つ。
ドキュメントコラボレーションベンダーは、より優れたデータ保護ソフトウェアを作成することに取り組んでいる。米Accellion、英Huddle、米Citrix Systems(ShareFile)などの企業は、データベース以外の場所に保存されている情報に対応した高度な情報管理機能をそれぞれの製品に組み込んでいる。
BYODへの対応策として、データ管理ツールは、従業員が所有するデバイスにあるデータをIT部門がロックしたり、安全に削除したりするのに役立つ。米VMware傘下のAirWatch、米IBM、Symantecなどの製品では、このような機能が提供されている。
企業がデータ保護ツールを購入する目的は1つ。収集して分析した情報から最大限のメリットを得ることだ。この目的を達成する上で、迅速な障害復旧機能と高可用性は欠かすことができない。また、情報が不適切な手に渡ることを防ぐ強力なデータセキュリティも必要だ。そのため、あらゆる目的に対応し、データとコンプライアンスを重視したアーキテクチャの作成を目指すことをお勧めする。
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