エンタープライズアプリストアでは、従業員向けに管理されたアプリを提供しなければならない。そのために何が利用できるのか。
アプリストアのコンセプトをAppleが打ち出したのは2008年7月。同社はApp Storeでアプリの品質を管理するとともに、新たな収益の道を開いた。売り上げは2013年に100億ドルを突破した。Google、Amazon、Microsoft、Nokia、Samsungなどの主要競合各社も似たようなサービスを立ち上げ、今では「アプリストア」という単語はモバイル端末向けの同様のサービスを指す一般名詞となった。
以来、幅広いOS(Android、Windows、Linux、Symbian、Windowsなど)向けのアプリストアが登場した。しかしどれもコンシューマーが対象で、ユーザー企業が管理するのは難しかった。米連邦取引委員会(FTC)はAppleとGoogleのモバイルアプリ市場を「監視が行き届かないデジタル危険区域」とまで表現している。
モバイル端末や私物端末の業務利用(BYOD)ポリシーが普及し、企業内でタブレットの採用が進む中で、エンタープライズモバイル端末管理(MDM)やモバイルアプリケーション管理(MAM)戦略が急務になった。企業は社内で開発したアプリや業務に使う市販のアプリをそろえ、アクセスを管理する必要があった。
エンタープライズアプリストアは、従業員やパートナー向けのアプリを管理・提供できる。社内でモバイルアプリを開発して導入しようとしても、普通は想定したユーザーの40〜50%にしか行き届かない。メンテナンスには手間が掛かる。そこでほとんどの企業は、社内システムやホスティング型のクラウドシステムを提供する社外のアプリストアプロバイダーに目を向ける。
社内エンタープライズアプリストアの構築にはハードウェア、ソフトウェア、サービスが伴う。
専用アプリストアを開発している企業の1つにApperianがある。Apperianはカスタム開発アプリとサードパーティーアプリ、市販アプリへのリンク、Webクリップ、ハイブリッドアプリ、端末のプロファイルと電子メール設定プロファイルをエンタープライズアプリストアに保存できる。アップデートはアラート付きで配信され、強制アップデートのためのポリシーも適用できる。
Apperianは、Android、iOS、BlackBerry、HTML5に対応した統合型のネイティブアプリストアを提供している。同ストアは顧客のブランドに合わせて設定できる。役割ベースのアクセスや、AppleのVolume Purchase Program(VPP)にも対応しているため、iTunesアプリストアからアプリを大量ライセンスで購入して管理できる。会社の認証サーバに接続すれば、ユーザーはシングルサインオン(SSO)を利用できる。
Good Dynamicsの専用アプリストアは「GDSMP」と呼ばれ、業務の延長上にある請負業者、エコシステムパートナー、流通業者に企業のディレクトリシステムを介したアクセスを提供する。
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