Gartnerが世界10カ国で行った調査の結果、CIOと業務部門幹部の間でクラウド導入の目的に意識のズレが生じていることが分かった。さらに、パブリッククラウド導入を阻む新たな要素が明らかになった。
CIOやIT部門の管理職がクラウドへの移行を検討するのはそのイノベーションとアジリティが主な理由だが、経験の浅いITスタッフや業務部門の幹部はコスト削減を主な決め手に挙げている。企業内にこのようなズレがありながらも、米Gartnerは2015年までにオンプレミスに導入される新規ソフトウェアは17%にすぎないと予想している。
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Gartnerは2014年に、SaaS、IaaS、PaaSの利用について、米国、ブラジル、メキシコ、イギリス、ドイツ、フランス、中国、インド、韓国、オーストラリアの10カ国を対象にアンケートを実施し分析を行った。その結果、クラウドサービスに投資する主な理由がコスト全体の削減にあると答えたのは44%だったという。
同社によれば、クラウド導入の試験段階は終わり、ミッションクリティカルなシステムのクラウド移行が始まっている。
「SaaSを導入する理由に挙げられたのは、開発とテストの運用ワークロードやミッションクリティカルなワークロードのためというのが最も多かった」とGartnerリサーチ部門のバイスプレジデント、ジョアン・コーレイア氏は話す。
「以前の調査では、SaaSの早期導入は比較的小規模なパイロットプロジェクトに重点が置かれていた。だがそのユースケースに変化が起こり、現状ではプロジェクトがミッションクリティカルな運用レベルに移っている。これは、営業支援システム(SFA)や電子メールを運用している営業部門以外の多くの業務を簡単にクラウドに展開できるようになっている証拠だ」
だが、クラウド導入の決め手についてCIOと経営幹部の意識は食い違ったままだ。「CIOがクラウドを使って目指す極めて重要な効果は、運用面のアジリティとビジネスを優位に保つ近代的かつ革新的なIT環境の確立だ。それに対して、IT部門以外のビジネスリーダーはいまだにクラウドをコスト削減の手段と考えており、クラウドサービスを利用するビジネス上のメリットや戦略的ビジネスチャンスを十分理解していない」
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