VMwareのCIOトニー・スコット氏は、仮想化について最も理解している人物の1人だ。同氏は、自社のITインフラ構築の経験を通して、仮想化の可能性と限界を説明する。
アジリティが効果を発揮するには時間がかかる。米VMwareのCIOトニー・スコット氏はこのアジリティの効果に取り組むことを視野に入れている。
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同氏はVMwareに入社する前は米Microsoftに5年半在籍し、その前は米The Walt Disney Company(以下、Disney)に勤務していた。VMwareのCIOに就任してから18カ月、同氏はIT機能のエンジニアリングの見直しを試みている。「IT as a service」についてよく語られるが、同氏によるとオンプレミスのアプリケーションは準備に数カ月かかることもあるという。また、ソフトウェアとハードウェアを購入し、必要なものが全て届くまで待ってからハードウェアを構成してソフトウェアをインストールし、ユーザーが使用できるようにする一連のステップは複雑だとも付け加えた。
スコット氏は、VMware自体のIT運用だけでなく顧客対応も請け負っている。米カリフォルニア州パロアルト市のVMware本社を訪問する顧客に、IT部門が同社のテクノロジーをどのように導入しているのかを見てもらうことがよくある。
同氏のチームはまず社内環境にVMwareのテクノロジーを導入できるので、実際のシナリオで試験運用するチャンスがある。従って必然的に顧客は同社のテクノロジーがどの程度有効に機能するのかに関心を持ち、導入についてのヒントを求めるという。
言うまでもなく、同社は高度に仮想化されている。同氏とITチームが取っているアプローチは「ソフトウェア定義型インフラ」だ。
「Disneyは以前、米Kodakのカメラでフィルムに撮影し、そのフィルムを編集して、セルを収めた容器を世界中に発送していた。今はそれをデジタル化し、映画をネットワークで配信している」と同氏は例を挙げる。デジタルが映画産業に革命を起こしたように、ソフトウェアがあらゆるものを定義するようになれば、企業は史上類を見ないほど素早く行動したり、コスト効率を高めることができると語る。
とはいえ仮想化のライセンスに関する問題は深刻で、VMware社内のIT機能すら拘束されることがある。同社も他の多くの組織と同様、米Oracle製品を仮想化するのに悪戦苦闘したと同氏は振り返る。
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