ハイブリッドフラッシュアレイ市場で注目すべき5つの新興企業今ハイブリッドがウケている理由

オールフラッシュよりも安く、HDDよりもハイパフォーマンス。ハイブリッドフラッシュアレイの利点は多い。ここで紹介する5社は独自の技術と斬新なアイデアを製品に実装している。

2015年04月22日 08時00分 公開
[Chris EvansComputer Weekly]
Computer Weekly

 この数年、オールフラッシュアレイは大いに注目を集めているが、その一方で単純に最速のハードウェアの実現を追求するのではなく、パフォーマンスと価格のバランスに注力したサプライヤーが登場している。

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 ハイブリッドフラッシュアレイとは、フラッシュと従来のHDDを組み合わせたものだ。従来のディスクアレイよりも高いパフォーマンスを実現しながらも、オールフラッシュアレイほど高額ではない。

 (既存製品のしがらみを断って)一から設計されたハイブリッドフラッシュアレイは、従来のストレージアレイとは異なり、既存のディスクスロットにフラッシュの層を加える形に改良されている。入出力(I/O)のパフォーマンス効率を高めることを狙って、フラッシュストレージを活用しているためだ。これはつまり、フラッシュ層に配置されたデータにとどまらず、(システム)全体のI/Oを加速させるためにフラッシュを利用していることになる。フラッシュの利点を生かすという点で、このアプローチはより効率的だ。フラッシュを組み込んだアレイを最初に利用する場合、フラッシュ上でアクティブなI/Oが実行されてデータが送信されることを保証するために絶えずデータを再構築する必要がないからだ。

 オールフラッシュアレイに比べて費用の節約になるという観点で、ハイブリッドのアプローチが有利なことははっきりしている。オールフラッシュアレイシステムの場合、データキャパシティーからみた価格は1Gバイト(有効容量)当たり最大20ドルもする。一方、ハイブリッドフラッシュのサプライヤーは、その4分の1の価格で製品を発売できる。

 オールフラッシュアレイの導入を正当化するのが困難な企業は多い。既存の環境にオールフラッシュのシステムを新たに実装するとなると、単純にその環境の複雑性が増すからだ。とりわけ中堅企業にはこの傾向が強い。複数のストレージシステムを運用することもあまりなく、ITスキルの高くない人物がシステム運用も担当している場合が珍しくないからだ。

 また、オールフラッシュソリューションが提供する(利点の)低レイテンシは不要だが、それよりもI/Oの実行回数(IOPS/TB)については HDD以上のパフォーマンスが必要だというアプリケーションも多数存在する。ハイブリッドソリューションは、フラッシュの分量をパフォーマンスの要件に応じてさまざまに調整できるが、典型的な構成としてはキャパシティーの10%程度にすることが多い。ハイブリッドデバイスは通常、同容量のオールフラッシュデバイスよりも機能が豊富なので、データセンターにオールフラッシュを配備するまでの有効なつなぎとしてハイブリッドソリューションを導入している企業も多い。

 ハイブリッドフラッシュシステムはさまざまな新興企業から発売されており、6大ストレージプロバイダーの製品と直接競合している。以下で各社の製品の詳細を見ていくが、どのサプライヤーも斬新なアイデアを多数採用して、フラッシュを実装している。

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