戦略的計画にアジャイルを取り入れる必要性Computer Weekly製品導入ガイド

戦略的計画立案と遂行との間の強力な連携を確立するためには、企業が透明性を高める必要がある。

2015年08月18日 08時00分 公開

 高度化する顧客中心主義が影響力を持つ市場で抜きん出ようとする動きが、企業の転換を促している。技術管理が業務の良きパートナーとなるためには、指導部門が計画と遂行の在り方を見直し、1つになって行動しなければならない。

 戦略的計画立案とその遂行が強力に連携するためには、企業が透明性を高める必要がある。自動化とフィードバックを繰り返しながら戦略的計画立案を遂行の中に統合することで、例えばアジャイル開発チームの実績といった投資効果測定のアジリティを高めることができる。

 アジャイル計画立案を利用すれば、1年ごとのプロジェクト予算割り当ては無視して継続的なポートフォリオベースの計画立案へと移行できる。このアプローチがもたらす価値は時がたつほど大きくなる。組織はリソースを効果的に割り当てながら、需要を見通して作業を事業価値に沿わせることが可能になる。

 戦略的計画立案は、意思決定を促す実績データに支えられた継続的、相対的な実践とする必要がある。戦略上の実績と運営上の実績を集約するコミュニケーションツールとしてポートフォリオ管理を利用すれば透明性が増し、会社の目標を達成することが可能になる。ポートフォリオ管理を意思決定ツールとして利用すれば、価値の低い活動にリソースを浪費する代わりに、より高い価値をもたらすプロジェクトに照準を絞る一助となる。仕事のリズムを最適化すれば、少ない労力で大きな成果を上げ、リソースをイノベーションのために解放することが可能になる。

 企業やIT幹部は、このアプローチを使って重要なリソースを必要なプロジェクトに振り向けることができる。それは目標を達成する助けになる。どうすればIT投資にふさわしい価値を適切なときに選定して実現できるか。これを意思決定者に助言するためには、戦略的計画立案とポートフォリオ管理のための洞察力が必要だ。

着手

 戦略的計画立案は、個別の事案でも年に一度の事案でもない。実績フィードバック情報を意思決定の指標として使いながら、継続的に実行する必要がある。戦略的構想を持つのはCEOかもしれないが、その計画は経営幹部や事業部門が共同で担い、結果は投資家が担う。

 企業はテクノロジーで最大限の事業成果を発揮できることを示すため、市場シェアの維持と増大に必要とされる主な役割やサービスを割り当てる。そうすることで、エコシステム変更の影響や関係を企業が理解する助けになる。

 アジャイル計画立案は、その時点で最もふさわしい戦略および実行投資の意思決定に重点を置く。実績を測る指標の透明性を確保すれば、新プロジェクトと進行中のプロジェクトの間でバランスの取れた投資を行うことが可能になる。これにより、1年ごと、あるいは半年ごとの頻度で計画立案や予算割り当てを行う必要がなくなる。長期的な投資戦略と短期的な実行は、フィードバックの繰り返しから得られるデータを使って決定される。エンタープライズアーキテクチャ(EA)ツールの重点は、アーキテクチャモデリングから、より幅広いプランニング、ポートフォリオ、戦略的変更の影響評価へと進化しつつある。同様にプロジェクトポートフォリオ管理(PPM)ツールは、全社的な戦略的計画立案とプロジェクト内およびプロジェクト横断的な遂行活動を支援する。こうした個々のツールは計画立案と遂行を連携させるために統合され、個別のステークホルダーによるさまざまな意思決定に対応した視点を提供している。

1年ごとの計画立案は廃止




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