Windows XPのサポート終了対策に悩んでいた英LoneStarは、WindowsマシンをRaspberry Piに置き換えることを決断。製造現場の情報表示・入力端末の置き換えに成功した。
CIOはビジネスに変革を起こすようなITイノベーションを求めている。中には、イノベーションを一時的な目標と見なし、自社の競争力を高めるために最善のアイデアを引き出そうと奮闘を続けるCIOもいる。部品メーカーの英LoneStar Groupでビジネスシステムの責任者を務めるダグ・メイ氏にとって、クリエイティブシンキングは単なる仕事の方法の1つにすぎない。
同社は、留め具やシール装置の製造を専門とするグローバルメーカーだ。同社で変化の真っ只中にあるプログラムを紹介しながら「われわれは製造業なので変われる部分は多い」と語る。
「リソースが限られているときは別の方向から技術を考えなければならない。予算が厳しいと嘆くのではなく、手持ちのリソースでITのビジネス価値を高める方法を模索すべきだ」
同氏は、限られたIT予算を3年にわたってどうにか維持した。それと同時に、革新技術を用いてビジネスの仕組みを変えようとした。「製造分野ではITは必ずしも価値を提供すると見なされないが、われわれのビジネスはますます技術に依存するようになっている。製造企業が最先端を進むためには、ビジネスとデジタルを統合しなければならない」と同氏は話す。
メイ氏は、ビジネス上の重要な課題を解決するためにはどのように革新技術を用いればよいかに心を砕いているが、その中心にあるのがこの進歩的な考えだ。2014年夏、英ウェストミッドランドのウェンズベリーに同社の本拠地が移転したのをきっかけに、同氏は効率性と有効性を高めるために、IT部門に何ができるかを考えることになった。恐らく最も斬新なアイデアは、製造環境で低価格のRaspberry Piを使用したことだろう。
LoneStarはここ12カ月間で、ARMベースのRaspberry Piを同社の作業現場に導入した。メイ氏はITチームとともにWindows XPのサポート終了にどう対処すればよいか考えていたときに、このアイデアを思い付いたという。同社は、バックオフィスの古いコンピュータを作業現場で再利用することがよくある。このような古いデバイスは、製造プロセスの個々の領域の進捗を職員が監視するために使用されている。
だが、このアプローチには難点もある。
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