企業向けセキュリティポリシーを考える
AndroidよりもiPad? セキュリティ重視のタブレット選びに正解はあるか
私物端末の業務利用(BYOD)は今に始まったトレンドではないが、仕事でノートPCよりもタブレットを選ぶユーザーが増えているのに伴い、タブレットのセキュリティポリシーの重要性が増している。
タブレットは最もセキュリティの弱いデバイスの1つだといわれているが、多くの従業員が仕事でタブレットを使っている。企業ではまだノートPCが主流だが、タブレットは、本当にノートPCよりもセキュリティが劣るのだろうか。デバイス利用ポリシーでタブレットの利用を制限すべきなのか、それともタブレットを対象としたセキュリティポリシーによってタブレットの利用を特定のベンダーあるいは、OSに制限すべきなのだろうか。
一般消費者および企業向けのタブレットの人気上昇に伴い、タブレットはマルウェアの格好のターゲットになった。多くの企業が業務を行う手段としてノートPCやデスクトップに代わってタブレットを選ぶようになってきた。モバイル端末のパスコードを補強するAppleの指紋スキャナー「Touch ID」をはじめとするユーザー認証技術の進歩は、セキュリティのリスクを大幅に低減したが、認証以外の問題には対処していない。悪質なモバイルアプリのダウンロードの方が大きなリスクであり、企業のタブレットセキュリティポリシーはこの問題に対処すべきだ。
タブレットはJailbreak(脱獄)攻撃に弱い。モバイル端末のデータを暗号化している場合でもリスクがある。セキュリティ企業のPulse Secureは250万本以上のモバイルアプリの調査に基づく「2015 Mobile Threat Report」で、マルウェア全体の73%が企業および一般消費者のAndroid端末をターゲットにしたものだと指摘している。これはiOS端末の方がAndroid端末よりもセキュアであることを意味するわけではないが、Appleはモバイルアプリに関連するリスクを軽減するために、App Storeからのダウンロードを厳しくチェックしている。だがマルウェアのリスクは広範囲にわたり、従業員によるBYOD拡大の動きによって問題が一層深刻になっているため、タブレットのセキュリティを実現するのは容易ではない。
タブレットは企業で使用する上で十分にセキュアなのだろうか。絶対というものは存在しないが、社内でタブレットなどのモバイル端末の使用を許可するかどうか判断する前に検討すべきタブレット用セキュリティ製品は幾つか存在する。例えば、マルウェア対策製品やエンタープライズモビリティ管理(EMM)ツールなどだ。
一般消費者もタブレットの利用目的および保存したデータのリスクの度合いに応じて、Symantec、Malwarebytes、Webroot、Trend Microなどのプロバイダーが提供するマルウェア対策製品を検討すべきだ。Pulse Secureの調査から判断すれば、一般消費者はAndroid端末や、普及度が低い「Blackberry」「Windows Mobile」「Symbian」よりもiOS端末を検討する方がよいかもしれない。
企業ユーザーは、タブレットのセキュリティを改善するためにEMMツールを検討する必要がある。Gartnerの評価レポート「2015 Gartner Magic Quadrant for EMM」は、この分野のリーダーとしてAirWatch、Good、IBM、CitrixおよびMobileIronを挙げている。これらのベンダーが提供する4つのツールについて、同レポートは次のように説明している。
- モバイル端末管理:インベントリ、モバイルアプリのプロビジョニングとデプロビジョニング(削除)、セキュアなリモートワイプ、OS構成管理
- モバイルアプリ管理:モバイルアプリの利用状況とモニタリング、事前設定によるアプリのコントロール、アプリのセキュリティと拡張機能のコントロール
- モバイル認証:信頼できる端末、アプリ、ユーザーのみに社内環境への接続を許可する
- モバイルコンテンツ管理:認証、ファイル共有、ファイルレベルの保護、マルウェア対策に関するポリシーを適用する
タブレットなどのモバイル端末の利用を計画している(あるいは利用中の)企業は、以下に示すタブレットセキュリティポリシーを真剣に検討すべきだ。
- EMMツールを使って継続的なモニタリングとセキュリティ対策を実施する
- EMMを使用しない場合はBYODを制限する、あるいはBYODの導入を控える
- タブレットなどのモバイル端末のセキュリティポリシーにEMMの使用とマルウェア対策を盛り込む
- 企業の責任範囲を限定し、モバイル端末の利用方法を規定するために、BYODユーザー全員に利用規約への同意を取り付ける
- 決済カードによる支払いに対応した加盟店端末(POI)タブレットまたは決済アプリは、PCI DSS(クレジットカード業界のセキュリティ基準)への準拠を義務付ける
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[ポールトゥウィン株式会社] 開発スピードと品質を両立、DONUTSが実践する「ハイブリッドなQA体制」の構築術 -
製品レビュー
[ポールトゥウィン株式会社] 開発スピードと品質は両立できる? DONUTSの「ジョブカン」に学ぶQA戦略 -
市場調査・トレンド
[レッドハット株式会社] 「プラットフォームエンジニアリング」調査レポート:利点・課題・未来像を詳説 -
市場調査・トレンド
[レッドハット株式会社] 生成AI活用のためのテクノロジー基盤、構築に際しての7つの検討事項とは? -
製品資料
[レッドハット株式会社] ビジネスの現場へのAI導入と活用、何から始めてどのように進めるべきか?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
-
2
IT製品の導入に関するアンケート「サーバ&ストレージ」編
-
3
1200万円のSaaS導入を回避 スギ薬局「運用費10万円」のAIエージェント構築術
-
4
年収700万超エンジニアに共通するスキルと「もっと勉強すべきだった分野」
-
5
「完璧な設計」なのに3000万円溶けた AWSの失敗事例から学ぶ3つの教訓
-
6
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
7
「RAGの利用」に関するアンケート
-
8
「企業におけるAIの運用」に関するアンケート
-
9
本当にそのIBM iに問題はない? ブラックボックス化と属人化を防ぐ第一歩
-
10
IBM iのブラックボックス化を打破 資産継承と進化を実現する「IBM Bob」の実力
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
2
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
3
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
4
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
5
5分で分かる Microsoft 365のデータ損失に備えるためのバックアップの仕組み
-
6
AI活用を停滞させる「2:6:2の壁」を乗り越えるためのポイントとは?
-
7
ソフトウェア開発の属人化と手戻りをどう防ぐ? 速さと品質を両立させる方法
-
8
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
9
複雑な組織構造で一度は頓挫した電子化、東京女子医科大はどう全学展開したか
-
10
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー