統合とクラウドが企業向けモバイル管理でも重要に
iPhone、Android、Windowsをどう管理? 2016年のEMM動向を探る
2015年も企業のモバイル活用は拡大していった。この流れは2016年も変わらない。その波に乗り遅れないために注意すべき技術革新について確認しておこう。
企業におけるモバイル管理は2015年も順調に進化しており、技術革新が停滞する兆しはない。モバイル管理は、シンプルなツールの不統一な寄せ集めから始まったが、メーカーやユーザー企業の戦略性というよりは、導入する企業や使うユーザーの必要性によって、モバイルデバイスのオフィス利用を実践する一般企業向けの基本的な機能に集約していった。
現在、企業で利用しているモバイル管理ツールは、物理的なオフィスの枠を超えてIT関連の機能とサービスを拡張し、多種多彩なデバイスおよびネットワーク上で、幅広いユーザーにあらゆるITサービスを提供できるようになった。それ故に、エンタープライズモビリティ管理(EMM)は今や必要不可欠となり、モバイルを活用するあらゆる戦略の中心になっている。
以上のようなモバイルにおける2015年の動向を踏まえた上で、2016年で重要になる“だろう”企業におけるEMMのトレンドを予想してみよう。
MDMの相対的地位が低下
多くのITプロフェショナルたちは、「EMM」という略語を聞けば、まずモバイルデバイス管理(MDM)を思い浮かべるだろう。だが現在、EMMに求める機能の範囲は、MDM単体の領域を大きく超えている。BYOD(私物端末の業務利用)時代を迎え、MDMはむしろモビリティスイートの中で、あまり重要でないコンポーネントになっているかもしれない。一方で、セキュリティとユーザビリティのバランスを重視するようになってる。
以上の動向から、2016年はモバイルアプリケーション管理(MAM)、モバイルコンテンツ管理、そして、アイデンティティ管理の重要度が高まるだろう。他にも、モバイルアナリティクスと最適化にも注目が集まるはずだ。
機能の統合化
特にIT分野であることだが、全ての技術革新は単機能製品から始まる。それらは限定的な機能を提供し、単一の定量化が可能なニーズに対応する。MDMが当初非常に重要だったのは、組織ポリシーのコンプライアンスに必要なデバイス設定要求に応えたからだ。しかし時間とともに、単機能製品は大抵、既存製品や他の革新的製品と組み合わせることで、より機能性が高まることが明らかになる。そうした統合化は、2016年のEMM市場でも加速するだろう。最終的には、包括的な単一のメインコンソールを備えた企業向けモバイル管理スイートに進化していくはずだ。
ベンダー統合化
EMM機能が、より大きな、より包括的なソリューションに統合化するようになると、必然的にベンダーの統廃合も進む。有力なソフトウェアベンダーやサービス事業者がモバイル管理の重要性を認識するようになるとともに、ここにきて有力企業の買収が数多く起きるようになった。2016年はソフトウェア、ITサービス、クラウドコンピューティング分野でも有力企業の買収が続くだろう。
ただし、懸案すべき要因もある。現在最先端の、あるいは、機能的に十分な製品であっても、新しい企業のもとでは、これまでと同じペースで開発が進められるとは限らない。ここで留意すべきなのは、将来予測に対して柔軟性を持ち、市場の変化に対する注意を怠らないことだ。
カスタム化可能なモバイル管理スイート
こうした統合化の流れの一方で、ただ1つのEMM製品で企業の運営で必要な要求を完全に満たすことはできない。現実において使用する製品の幅広い多様性とは伝統的なもので、ほとんど常に正当化されている。EMMは、他の経営管理ツールと根幹部分から統合化し、プラグインやAPI、その他のメカニズムを通して拡張性を持たなければならない。今後のトレンドは、より統合可能な機能を目指すものとなり、無条件で受け入れるか導入を止めるかといった二者択一な製品は消えていくだろう。
クラウドの重要性
クラウドは、EMMを含む全てのIT管理システムの理想的なプラットフォームになった。EMMの領域は、「Windows 10」搭載のPCやサーバおよびクライアントベースのソフトウェア、クラウドサービスなど、あらゆるタイプのデバイス、アプリケーションに広がりつつある。ITの機能が、この先さらにクラウドへと移行すれば、モバイル管理スイートは企業経営管理の焦点になっていくはずだ。
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