AppleがATSの必須化を発表したものの、企業向けiOSアプリはほとんど対応していないことが明らかになった。ATSの概要と調査の詳細を紹介する。
世界中で運用されている人気iOSアプリ上位200点のうち、Appleが近く適用を開始する予定の暗号化要件を完全に満たすものはわずか3%という調査結果が発表された(訳注)。
訳注:原文は2016年12月7日公開された。2016年12月21日に、ATS必須化の延期が発表された。
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Appleは、2017年1月1日以降に配布するアプリについて、「App Transport Security」(ATS)を必須にすると発表した。
ATSはiOS 9で導入された機能で、アプリがWebサービスに接続する際、HTTPではなくHTTPS接続を使用することを義務付け、通信を暗号化することで転送中のデータの安全を確保する。
大規模組織を狙う脅威からの防護策を提供しているセキュリティベンダー、Appthorityの研究者たちが実施した調査によると、ATSが必須になるまであと1カ月を切っているというのに、企業向け人気アプリ上位200位の中でATSに準拠しているものはたったの6点しかないという事実が判明した。
「企業向けアプリは、暗号化基準のベストプラクティスを十分に生かしていないものが大半を占めることを当社の研究者たちは突き止めた。大企業はこの事実を懸案事項とすべきだ」と話すのは、Appthorityのエンジニアリング担当バイスプレジデント、ロビー・フォーキッシュ氏だ。
「ATSが必須化されるのは、期日以降にApp Storeで配布するアプリが対象となる。しかもAppleは、ATSの適用について例外を認める予定だ。ATSの追加によってデータのセキュリティは強化されるだろう。だが、2017年1月1日が過ぎても、企業環境で稼働しながらデータの暗号化を行わないiOSアプリが一掃されるわけではない。従って、そうした例外を含んでいるアプリに関しては、ユーザー企業側でリスクの可視性を確立し、そのリスクを管理することが極めて重要になる。社内データをリスクにさらす危険性があるからだ」と同氏は説明する。
また今回の調査では、次のような実態も明らかになった。
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