フランスのスタートアップ企業マジェンシーは、タブレットによる情報共有を可能にする会議ソリューションに、人工知能(AI)を活用した音声認識機能やデータ分析機能を追加した新製品を発表した。
企業向けMICE(Meeting, Incentive, Conference, Exhibition)ソリューションを提供するマジェンシーは9月28日、タブレットを使って会議のプレゼンテーションやアンケート、参加者のアイデアなどを共有する同社のSaaS(Software as a Service)ソリューションに人工知能(AI)を加えた「magicCUBE」を発表した。同製品は、2018年に発売予定だという。
同社は、企業や組織向けに、会議や研修の情報共有や、ゲーミフィケーションに特化したソリューションを提供している。従来製品では、タブレットを使ってアンケートやクイズ、意見などの集計を可能にすることで、会議の生産性向上を図ってきた。magicCUBEは、そうしたソリューションを同社独自のAIシステムと連携させることで、音声認識機能による操作や、データ分析で得た知見の社内共有、会議パフォーマンスの評価などを可能にするという。
magicCUBEは、立方体の本体に音声認識機能を備えたスピーカーを搭載。通話機能を備え、遠隔地から会議に参加することもできる。会議の企画者は、タブレットを使って、スケジュール管理やプレゼンテーションの共有、議題に沿ったアンケートやクイズの作成、集計、議事録の作成などが可能だ。同製品は、企業システムとリアルタイムに連携し、必要に応じた社内文書の検索や、会議で蓄積した参加者の行動データ分析などの機能を備える。分析から得られた知見は、マーケティングや営業、人事評価などに活用可能だという。1件の会議に、1台のmagicCUBEを通して30人が同時接続可能。マジェンシーは、1台当たり月6万円のプランで同製品を企業に貸し出したい考えだ。
2011年にフランスで創業した同社のソリューションは、Googleやルノーなどの多国籍企業をはじめ、富士通やトヨタ自動車、日産自動車、JTBなどの大手日本企業にも導入されている。「研修やセミナーなどを好む企業の多い日本市場は、米国よりも成長の可能性が高い。AIによる知見の収集を通じて、企業の生産性効果にも貢献できるのでは」と、同社で日本市場担当COO(最高執行責任者)井上太輔氏は話す。
本国フランスで現役のマジシャンとしても活躍する同社の創業者兼最高経営責任者(CEO)、ヴァンサン・ブルーノ氏は、「デバイスを通して“驚き”や“楽しさ”“意見の言い合い”といった、さまざまな感情や行動を共有するテクノロジーは、観客の認識を利用して幻影を作り出すマジックと相通じるものがある。その点を利用し、“退屈で生産性がない”という会議の経験そのものを変えられないかと考えた。より人間らしい面白さに満ちたコミュニケーションを促進することで、企業を変えていきたい」と語る。
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