IT担当者は「Windows 10」へのアップグレードが自社にとって適切な選択なのか、事前によく見極めないと、思わぬトラブルに見舞われるおそれがある。
OSの移行は常に痛みを伴う。Windows 10への移行も例外ではない。データ損失やドライバの問題、新しいUIになじめるかなど、さまざまな問題が立ちはだかる。
アップグレードに伴う問題を避けるために、「Windows 7」などの旧バージョンを使い続ける企業も少なくない。Microsoftはそのような選択を推奨せず、旧バージョンのWindowsでは「Office 2019」が利用できなくなるなどの制限もある。それでも旧バージョンを使い続けること自体は可能だ。
Windows 10へのアップグレードをためらう理由の1つにデータのプライバシーの問題がある。アプリの使用状況や検索語などのデータを大規模に収集することはアップデートの品質向上に役立つとMicrosoftは述べているが、企業によってはこのようなデータ収集に応じたくない場合もあるだろう。
アップグレードしないことにした企業もある一方、多くの企業はWindows 10に移行することを決めている。しかし、アップグレードの過程で問題が発生したら会社全体に影響が及ぶかもしれず、リスクが高い。円滑にWindows 10への移行を進めるには、専用のソフトウェアを利用したり、事前に入念な準備をしたりすることが役に立つ。
OSを移行するときにデータ損失が発生することはよくあるが、それを最小限に抑えるためにできる対策が幾つかある。
クリーンインストールは旧バージョンの不安定性や整合性の問題のない理想的な方法に思えるが、データをクラウドやネットワーク接続ストレージではなくローカルのHDDに保存していた場合には、そのデータを失うことになる。クリーンインストールを行う場合は、移行後も必要なソフトウェアが使えるように、有効期限切れのアプリライセンスがないか確認し、必要に応じてアップデートするなどの準備作業が必要だ。
従業員の代わりにIT担当者が手動か自動でファイルをローカルディスクから移動することもある。手動の場合、各ユーザーのファイルをネットワーク上の場所に一時的に移し、移行完了後にローカルストレージに戻すという煩雑な作業が必要だ。Windows 10対応の自動移行ソフトウェアを購入すれば、このプロセスを自動化できる。
データ損失を防ぐシンプルな対策は、インプレースアップグレードを行うことだろう。この方法なら旧バージョンのOSで使っていたのと同じアプリケーションと個人設定、データを維持したままWindows 10に移行できる。ただし、ディスクスペースが足りなかったり、Windowsのエディションやアーキテクチャの制約があったりすると、インプレースアップグレードができない場合もある。
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