新規ビジネスのチャンスを得やすいのはどちら?
いまさら聞けない「データサイエンティスト」と「ビジネスアナリスト」の違い
データサイエンスとビジネスアナリストの違いは、データサイエンティストがデータを深く掘り下げて、独自のビジネス解決策に行き着かなければならない点だ。もちろん違いはそれだけではない。
データサイエンスとビジネスアナリストの仕事はどう違うのか。データサイエンティストになるためには、どのような訓練や教育が必要とされるのか。
最も一般的なビジネス分析職であるデータサイエンティストとビジネスアナリストとの違いは幾つもある。だが、その違いを高いレベルで考えると、医療研究者と医療技術者との違いに例えることができる。一方は実験と科学的手法を用いて新しい、画期的な発見をもたらす可能性を秘めた研究をする。他方は既存の知識を現実の知識に当てはめる。
データサイエンティストとビジネスアナリストの違いは、それぞれが活躍する場所の違いが挙げられる。データサイエンティストはビッグデータを掘り下げ、実験を通じてデータの中の新しい洞察を発見するのが目的だ。一方、ビジネスアナリストは一般的に、セルフサービス分析ツールを使って収集されたデータセットを検証し、報告書の作成とデータ可視化をして、四半期ごとの収益や目標を達成するために必要な売り上げなど、目的に沿った結果報告をまとめる。
データサイエンティストの仕事
データサイエンティストは、分析とデータウェアハウスのプログラムを次の段階へと引き上げる。そのデータによって本来の会社の姿を知る。無関係のデータから、関係のあるデータを引き出す、といった具合だ。
データサイエンティストは、エンタープライズ向けデータウェアハウス(DWH)を活用してデータを深く掘り下げたり、分散処理ソフト「Hadoop」などのビッグデータシステムに保存される新しい種類のデータを分析したりしなければならない。昔ながらのビジネスアナリストがするように、単にデータについて報告するだけでなく、そのデータに基づくビジネスの洞察を導き出す必要がある。
データサイエンティストの仕事にはまた、強いビジネスセンスと、データから引き出した結論をビジネス関係者に伝えるコミュニケーション能力が求められる。優秀なデータサイエンティストは単純にビジネス問題に対応するだけでなく、組織にとって最も価値が高い問題をピンポイントで特定することが求められる。データサイエンティストは組織内で、戦略性の強い役割を果たす。
データサイエンティストは、利用できる全てのデータを参照して、それまで隠れていた洞察の発見を目指し、競争の優位性を高めたり、差し迫ったビジネス問題に対応したりする。データサイエンティストは単純にデータを収集して報告するだけにとどまらない。多くの角度からデータを見て、それが何を意味するのかを判断し、そのデータの応用方法を提言する。そうした洞察が新製品や、全く新しいビジネスモデルにつながることもある。
データサイエンティストは高度な機械学習モデルを応用して、それまで長時間かかっていたプロセスや、非効率的だったプロセスを自動化する。データ処理やプログラミングツール(Python、R、TensorFlowのようなオープンソースツールも含む)を使って、人工知能(AI)の進化を活用する新しいアプリケーションを開発する。そうしたアプリケーションは、自然言語処理を使って、かかってきた電話をカスタマーサービス回線に転送したり、電子メールキャンペーン用の文章を自動的に生成したりする。
ビジネスアナリストの仕事
ビジネスアナリスト(データアナリストと言い換えられることもある)はどちらかというと、小規模なターゲットを絞ったデータセットを使って、業務に関する実用的なインサイトを提供することに重点を絞る。例えば、販売チームと連携するビジネスアナリストは、主に販売データを分析して個々のチームメンバーの実績を調べたり、特別な指導が必要と思われるメンバーを洗い出したり、チームの業績向上につながり得る他の分野を探したりする。
ビジネスアナリストは一般的に、セルフサービス分析ツールや可視化ツールを利用する。そうしたツールを使うことで、チームメンバーが自分たちの実績把握に利用できる報告書やダッシュボードを構築できる。そうした報告書に含まれる情報は大抵の場合、予想ではなく過去を振り返る内容になる。
データサイエンティストとビジネスアナリストの訓練、ツール、傾向
ビジネスアナリストになるためには、統計やデータ分析の基本原則を知っておく必要がある。ただ、数学的負担を軽減してくれるセルフサービス分析ツールも多数ある。もちろん、2つの別々のデータセットを組み合わせることに統計的な意味があるのかどうか判断する必要はあり、相関関係と因果関係の違いも認識していなければならない。だが全般的には、数学に関する深い経歴は必要とされない。
一方、データサイエンティストになるためには数学に関する確実な経歴が求められる。データサイエンティストとビジネスアナリストに関する主な違いの1つはこの点にある。
多くのデータサイエンティストは、何らかの数学分野の学位を取得している。物理学など、統計推論寄りの先端科学に関する経歴の持ち主も多い。
ビジネスアナリストは一般的に、仕事をしながら必要な技術スキルを習得できる。会社で使っているのが、セルフサービス分析基盤の「Tableau」「Qlik」「Power BI」であろうと、別のツールであろうと、ほとんどは直感的に使えてなじみやすいグラフィカルユーザーインタフェース(GUI)を利用している。
データサイエンティストの仕事には、もっと特殊な技術の習得が求められる。高度な数学教育に加えて、データサイエンティストは深い技術スキルを必要とする。一般的なコーディング言語はPython、SQL、Javaを含めて複数に精通していなければならない。そうした言語を利用すれば、複雑な機械学習モデルを、Hadoopなどの分散型データ管理基盤に保存されたデータに当てはめることができる。ほとんどの場合、データサイエンティストはそうしたスキルを大学レベルのコンピュータサイエンス課程で習得する。
だが、データ分析のトレンドが、データサイエンティストとデータアナリストの間の境界を崩し始めている。ソフトウェア会社はますます、機械学習を使って複雑な作業を自動化できる基盤を導入するようになっている。同時に、セルフサービスソフトウェアがより深い分析機能を提供するようになり、かつてはビジネスアナリストのみが使っていたツールを使うデータサイエンティストも増えている。
企業がチームを融合することで、分析における最も大きな成功を収めることも多い。従って、データサイエンティストとビジネスアナリストが連携すれば、経営上のメリットを引き出すことができる。つまり、データサイエンティストとビジネスアナリストの違いは、いずれ重要性が薄れる可能性もある。このトレンドは、企業のためになるかもしれない。
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