Googleは医療分野の人工知能(AI)に独自の方法で取り組み、ウェアラブル技術の大手企業Fitbitと新たに提携して医療健康分野に果敢に進出しつつある。
同時に、Fitbitは医療およびヘルスケアのアプリベンダー数社(注1)を買収し提携することによって、注目の的となっているAppleの医療への進出に対抗する形を取り、自社の医療および医療AIビジネスにおけるシェアを急速に増やしてきた。
※注1:2018年5月6〜9日に米国ラスベガスで開催したヘルスケアのイベントであるHLTH:The Future of Healthcareの場でFitbitが発表した。
「数少ない神話を一掃したい。AIや機械学習は単なる未来の技術ではない」とGoogleの主任科学者であり、拡張知能研究担当ディレクターであるグレッグ・コラード氏が、HLTHのオープニングセッションで語った。「世界で最も優れたAIと機械学習は既にあなたのポケットの中に入っている、と確信をもっていえる」
Fitbitは、HLTH初日は始めから終わりまで、健康状態(糖尿病や一部のがんを含む)を管理するための新しい8つのアプリや、スマートウォッチの文字盤デザイン(Clock Face)の発売を告知する場として利用していた。
アプリの中には医療保険事業者や雇用者、臨床研究者向けに作られているものもあり、彼らが、医療AIを利用する人を含め、ユーザーの健康管理を臨床現場の外でも支援できるように開発されている。
GoogleとFitbitが、Fast Healthcare Interoperability Resources(FHIR:医療情報の相互運用性のオープンな標準仕様)のデータ共有規格に基づいたGoogleの新しいクラウド医療APIに関する連携について発表してから1週間もたたないうちに、事業提携の発表となった。
「相互運用性を確保するためにFHIRにも尽力している」とFitbit Health Solutionsの本部長兼上級副社長のアダム・ペレグリー二氏は語る。「当社はGoogleのAI機能や分析機能を活用している。データは全てそろっているから、そこからインサイト(洞察)を得たい。(米国の)医療保険制度でGoogleの分析機能やAI機能を生かしたい場合、今ならそれらの機能を活用できる」と、ペレグリーニ氏はFitbitの医療AI戦略について述べた。
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