医用画像の分野では、機械が人間の代わりになるかどうかの議論がなされている。放射線科向けの人工知能(AI)に精通する医学博士カーテス・ラングロッツ氏は、医用画像工学の未来について広く支持されつつある視点を示した。
スタンフォード大学医学部で放射線医学と生物医学情報学を教えるラングロッツ氏は、大勢の聴衆で埋め尽くされた「RSNA 2017」(第103回北米放射線学会学術集会・年次総会)の会場で次のように語った。「AIが放射線科医の代わりになるかという質問に対する私の答えは『ノー』だ。だが、AIを使用する放射線科医は、AIを使用しない放射線科医に取って代わるだろう」
これは、米国シカゴのMcCormick Placeで開催されたRSNA 2017におけるパネルディスカッションでの一幕だ。
世界各国から約5万4000人のメンバーが加入している北米放射線学会(RSNA)は、北米最大規模の学術集会と医療機器展示会を毎年開催している。RSNA 2017の参加者は約5万人、その約半数は医用画像の専門家だ。展示会の出展者は主にベンダーで、667社が出展していた。
AIとさまざまな機械学習に加えて、RSNA 2017は、量より質を重視する「価値に基づく画像診断」(Value-Based Imaging)に傾倒しており、その程度はこれまでにないほどだった。というのも、米国の医療制度がその方向にシフトしているためだ(注1)。
※注1:米国では近年、「価値に基づく医療」という考えが広まっている。これは、従来のように資源のインプット量に基づくのではなく、患者にとっての価値に基づく評価体系で医療ケアサービスを提供しようという考え方である。Value-Based Medicine:VBM、Value-Based Health Care:VBHC、Value-Based Practice:VBPなどと呼ばれる。
これまでと変わらず注目を集めていたのは、PACS(医用画像管理システム)および、複合的な医用画像を格納し閲覧するVNA(Vendor Neutral Archive)の技術とシステムだ。これには、さまざまなベンダーのPACSの部品をまとめる「PACSの統合」という人気急上昇中の戦略も含まれる。
とはいうものの、RSNA 2017で最も注目を集めたのは、AIと深層学習(ディープラーニング)だろう。深層学習とは、高度な統計的手法を使用して、コンピュータのタスクへの対応力が経験によって向上するという機械学習のサブセットだ。
事実、ラングロッツ氏のセッション会場には、あふれんばかりの聴衆が押し掛けた。放射線医学や他の画像特化専門分野におけるAI、深層学習、機械学習に関する多くのパネルディスカッションでも同様の現象が見られた。
コネクテッドTV(CTV)広告のパフォーマンスを包括的に計測、Adjustが新サービス「CTV AdVision」を発表
1つの管理画面でCTV広告の全体的なパフォーマンスを把握可能に。
Amazonの「ブランド広告力」が調査で判明、GoogleとFacebookを圧倒する理由は?
大手ECサイトの広告媒体としての価値がますます高まっている。リテールメディアへの広告...
複雑化するマーケティング、CMOがまず着手すべきこととは?
本連載では、これからのデジタルマーケティングで継続的に成果を創出するために必要な新...