「Android Enterprise Recommended」の最新情報 高耐久性スマートフォンが対象機種にGoogleの法人向けスマートフォン導入支援プログラム

「Android Enterprise Recommended」は、ゼロタッチ登録やQRコードで大量のAndroid端末の導入とEMMのインストールを容易にする。対象機種の追加など、拡充も進められている。

2018年11月08日 05時00分 公開
[Matt SchulzTechTarget]
photo

 「Android Enterprise Recommended」(AER)は、企業が従業員用にGoogleの「Android」搭載端末を大量に導入する際に役立つプログラムだ。利用を検討するIT担当者はまず、このプログラムの最新情報を確認しよう。

 このプログラムは、企業が従業員に支給するAndroid端末の選定、導入、管理を支援する。Googleは確実なアップデートとセキュリティ確保を要件として、対象となる機種とエンタープライズモビリティー管理(EMM)ベンダーを検証している。対象EMMベンダーにはVMware、MobileIron、SOTIなど各社が含まれる。

 AERを利用すると、わずかな作業で端末を設定できる「ゼロタッチ登録」やQRコードを使って、簡単に大量の端末を導入できる。企業は手作業で端末を設定する手間が省け、利用するEMM製品を選択でき、従業員はポリシーの設定やアプリケーションのインストールが済んだ状態で端末を受け取ることができる。EMM製品に不慣れな企業も、管理用ソフトウェアのインストールトラブルでベンダーに問い合わせる手間を軽減できる。

 Googleは2018年、Androidデバイス管理用API(アプリケーションプログラミングインタフェース)の「Device Administration API」を廃止すると発表した。このAPIには、暗号化された端末のパスワードを安全にリセットして出荷状態に戻すことができないなどの制約があった。

 同社の戦略にはAppleのデバイス導入支援プログラム「Device Enrollment Program」(DEP)に対抗する狙いがあるとみられる。DEPは、企業が購入するApple製端末の登録と設定を自動化する。同社は最近、新たな管理プログラム「Apple Business Manager」にDEPを統合した。AERはゼロタッチ登録など、Apple Business Managerと類似する機能を提供する。

AERプログラムの拡充

 AERの対象端末は当初、オフィスワーク向け端末のOEM(相手先ブランドによる生産)製品ばかりだったが、2018年9月にはDatalogicやZebra Technologies、Honeywell Internationalなどが提供する特殊用途向け高耐久性端末も加わった。

 高耐久性モバイル端末の利点には、多くの企業が関心を寄せている。Samsung Electronicsのスマートフォン用周辺機器「Samsung DeX」のような製品の登場で、スマートフォンをPCの代わりに使えるようになり、大きくて頑丈な高耐久性PCを代替できるようになった。現場で高耐久性モバイル端末を使う企業では、販売や在庫管理、通信に支障が出ないように信頼性の高い端末を必要としている。AERが対象とする高耐久性端末は、落下試験などのハードウェア基準の他、長期のセキュリティアップデートサポートなどの要件を満たす。

 Huawei Technologiesの「MediaPad M5」8.4型と10.8型といったタブレット端末も、AERの対象機種だ。タブレットはデータ視覚化や在庫管理の分野で需要がある。

 AERでは高耐久性端末もオフィスワーク向け端末も「Android 7.0」以上の搭載が必須となる。

 対象端末リストにはSamsung製スマートフォンが含まれていない。これはSamsungが独自のセキュリティ製品/サービス群「Knox」を提供していることが関係しているのではないかと考えられる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

隴�スー騾ケツ€郢晏ク厥。郢ァ�、郢晏現�ス郢晢スシ郢昜サ」�ス

製品資料 TeamViewerジャパン株式会社

ITサポートチームのパフォーマンスが向上、AIを活用したセッションインサイト

ITサポートの現場では、ITオペレーションの効率を高めることが課題となっている。そこで、あるリモート接続基盤に搭載されたセッションインサイト機能を紹介。AIを活用した機能も備え、ITサポートチームのパフォーマンスを向上させる。

製品資料 TeamViewerジャパン株式会社

リモートアクセス導入の問題を解消、専門家の支援が受けられるサービスとは?

リモートアクセスを取り入れる企業が増えている。しかし、ネットワーク設定やセキュリティ対策が適切に実装されなければ、導入後に非効率やセキュリティリスクを招く可能性もある。このような問題を一掃するにはどうすればよいのか。

事例 Jamf Japan 合同会社

BYOD時代のIT統制強化術、事例で学ぶ安全なAppleデバイス管理

ソフトバンクロボティクスでは、働き方の変化や海外拠点の増加に対応する中で、ゼロトラストセキュリティを前提としたグローバルレベルのIT統制が必要となった。Appleデバイスを業務利用する同社は、どのようなアプローチを採用したのか。

製品資料 Jamf Japan 合同会社

MDM活用における12の困りごと:iPhoneやiPadを適切に管理するには何が必要?

業務用モバイルデバイスの管理にMDMツールを使う企業は多いものの、iPhoneやiPadの管理に関しては、限られたインベントリ情報しか取得できない、UIが分かりにくい、などの課題も多い。そうした「12の困りごと」と、解決策を紹介する。

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

iPhoneやAndroidスマホを「ノートPC」に変える方法

スマートフォンの進化により、「ノートPCとの2台持ち」の必要性は薄れつつある。スマートフォンをノートPCとして使うための便利な方法を解説する。

アイティメディアからのお知らせ

郢晏生ホヲ郢敖€郢晢スシ郢ァ�ウ郢晢スウ郢晢ソスホヲ郢晢ソスPR

From Informa TechTarget

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...