テープの牙城、コールドデータ分野からテープが消える!?それでもテープはよみがえる

アクセス頻度が低いコールドデータの保存には、やはりテープメディアが最適だ。しかし、盤石かと思われたこの市場にも変化が訪れようとしている。

2018年11月29日 08時00分 公開
[Antony AdsheadComputer Weekly]

 ストレージの記事の見だしを飾るのは、いつもフラッシュやNVMeなどの高速ストレージやクラウドなど次世代の先駆けとなる技術だ。だがある意味、このような技術は特殊な例、つまり異常値だ。世界中の膨大なビジネスデータのほとんどはHDDやテープに保存されている。

Computer Weekly日本語版 11月21日号無料ダウンロード

本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 11月21日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。

ボタンボタン

 テープストレージは容量が増加し続ける見通しだ。またテープストレージが備える幾つかの重要なメリットにより、アクセス頻度が低いデータに最適な記憶媒体として今後も存在感を示し続ける可能性が高い。

 このメッセージは、チューリッヒにあるIBMの研究施設で最新テープ技術部門のマネジャーを務めるマーク・ランツ氏が最近執筆した記事で伝えられている。

 記録密度については、数百P(ペタ)Bのデータを保存できるテープカートリッジが間もなく登場するだろうと同氏は言う。これは2017年にIBMが行った発表を受けたものだ。IBMはテープとテープヘッド技術のナノスケールの進化を基に、テープの面記録密度の世界新記録を樹立したと発表した。

 ランツ氏によると、この開発により標準テープカートリッジに最大330TBのデータを記録できるという。これは日本の端から端までの距離をやや上回る長さの書棚を埋め尽くすほどの容量に相当する。

 このテープはまだ入手できない。現状のテープカートリッジの最大容量は非圧縮時で15TB(圧縮時30TB)だ。HDDの最大容量は60TB。フラッシュドライブは30TBだ。

 だがテープには適応できない現代ITの重要なトレンドが1つある。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

市場調査・トレンド SUSE ソフトウエア ソリューションズ ジャパン株式会社

ベンダー依存から脱却、柔軟かつ統合的なLinux環境を構築する方法とは?

エンタープライズ向け技術は、Linuxを中核に据え、オープンソースで動作しているものが多い。しかし近年、一部のベンダーが契約による囲い込みを強めており、ベンダーロックインのリスクが高まっている。安定したLinux運用を実現するには?

製品資料 株式会社野村総合研究所

運用効率化に欠かせないITSMツール、ノンカスタマイズが正解とは限らない?

ITサービスへの要求は年々増大しており、その対応を手作業でカバーするには限界がある。そこで導入されるのがITSMツールだが、特に自動化機能には注意が必要だ。自社に適した運用自動化や作業効率化を実現できるのか、しっかり吟味したい。

製品レビュー 株式会社クレオ

現場でカスタマイズ可能なITシステム、コストと時間をかけずに実現する方法とは

業務効率を高めて生産性を向上させるために、多くの企業がITシステムの導入を進めている。しかし、自社の業務に合わないITシステムを導入してしまっては、逆に生産性が低下する可能性も高い。この問題をどう解決すればよいのだろうか。

製品レビュー グーグル合同会社

重要なエンドポイントを守る、Chromeブラウザを企業向けに安全性を強化する方法

世界中で広く利用されているChromeブラウザは、業務における重要なエンドポイントとなっているため、強固なセキュリティが必要となる。そこでChromeブラウザを起点に、企業が安全にWebへのアクセスポイントを確立する方法を紹介する。

製品資料 グーグル合同会社

Chromeの拡張機能:企業における今求められる管理戦略とは

Google Chromeの拡張機能は生産性の向上に不可欠な機能であり、ユーザーが独自にインストールできる一方、IT管理者を悩ませている。ユーザーデータを保護するためにも、効率的な運用・監視が求められるが、どのように実現すればよいのか。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。