苦戦を強いられるレガシーEHRベンダー
メモや処方箋などの非構造化データも処理 IBMとAWSの医療データ活用技術
IBMやAmazon Web Servicesが医療業界をターゲットに新たなサービスを提供している。注目すべきは、これらの企業が人工知能(AI)といった、今までのEHR製品にはなかったテクノロジーを取り入れている点だ。
ここ数年、EHR(電子医療記録)市場に大きな成長は見受けられない。既存システムを置き換える労力やコストが大きくなることを懸念し、新たなEHR製品/サービスの購入をためらう医療機関は少なくない。
こうした状況はすぐに変わると考えられる。IBMやAmazon Web Services(AWS)が人工知能(AI)ベースのシステムといった、これまでのEHR市場にはなかった製品/サービスを提供するようになったためだ。
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最新テクノロジーと医療
ヘルスケア分野でのAIテクノロジー活用
IBMは早くから医療業界に進出している。同社は疾患の発見や、特定疾患の診断補助に役立つツールとしてAIシステム「IBM Watson」を病院向けに販売している。IBMは同社のサポートコンピュータとAI機能を活用して大規模データセットを分析し、患者データから一定の洞察を得ることを可能にしている。医療画像の解析分野にも参入し、同社の視覚サービスを使用して、エックス線装置やMRI(磁気共鳴画像法)装置などのスキャナー検査の結果から、人間の目では発見できない異常を検出しようとしている。
Amazonの新しい医療データ分析サービスとは
AWSも医療テクノロジー分野に新たな風を吹き込んでいる。同社は最近、医療機関でのEHRデータの分析をターゲットとする新サービス「Amazon Comprehend Medical」を発表した。HIPAA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)準拠のこのサービスは、メモや処方箋などの非構造化データを処理し、患者の診察、投薬、症状、治療に関する情報を特定する機械学習サービスだ。こうした患者の情報を機械学習によって特定できれば、プロセスを迅速化してミスを減らすことができる。
医療分野への投資を試みている大手企業が、IBMとAWSだけではないのは明らかだ。米国の医療費の総額は増加傾向で、2017年には3.5兆ドルに達した。Appleと小売大手Walmartは、この状況にうまく乗じる方法を見つければ大きなビジネスチャンスになると認識している。老舗のEHRベンダーが大手ITベンダーと競争するには、こうした巨大ベンダー企業との協業を検討するか、AI分野でイノベーションを起こす努力をしなければならない。
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