本当は怖くない「AI」 説明可能性はなぜ大事か「AI」の信頼性と透明性の確保に向けて【前編】

アルゴリズムに対する信頼性がなければ、AI技術の導入は進まないだろう。そこで今、企業はAI技術を採用した自社システムの透明性を高め、説明可能にする取り組みを進めている。

2019年12月17日 05時00分 公開
[Kathleen WalchTechTarget]

関連キーワード

ITガバナンス | 機械学習


 人工知能(AI)技術があらゆる場面で使われつつある一方で、一部に導入へのためらいが見えるのは不思議ではない。「AIはSF(サイエンスフィクション)が描く未来のようで恐ろしいものだ」という考えも根強い。そこで実際の、あるいは想像が生み出す懸念に対処するため、AI技術の信頼性と透明性を高めようと取り組む企業もある。政府機関もより高い説明可能性(Explainability)を義務付ける法律や規制を検討している。

 ユーザーからの信頼を得るには、AIエンジンが決定を下す仕組みの透明性が欠かせない。信頼できなければ、ユーザーはAI技術が組み込まれたシステムを導入しないだろう。そのため企業の間で、こうしたAI技術ベースのシステムが機能する仕組みを説明しようと積極的に取り組む動きが広がっている。目標とするのは、AIシステムが人類に対する陰謀を企てるようにトレーニングされた魂なき機械などではなく、正しいことをするツールだとユーザーに認めてもらうことだ。

 意思決定機能を備えるさまざまな製品にAI技術が組み込まれ始めている。それに伴い、企業はそうしたシステムで実際に何が起こっているのか、システムがどのように動作しているかを、よりオープンにしようと努めている。つまり時間をかけてアルゴリズムの仕組みについての情報や機械学習モデルのトレーニングに使うデータの詳細を公開している。このような活動には、ユーザーがAIシステムに不安を感じないよう支援し、AIシステムの信頼性と透明性を高めるという目標がある。

AIシステムへの信頼の構築

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news079.jpg

CMOが生き残るための鍵は「生産性」――2025年のマーケティング予測10選【中編】
不確実性が高まる中でもマーケターは生産性を高め、成果を出す必要がある。「Marketing D...

news023.jpg

世界のモバイルアプリ市場はこう変わる 2025年における5つの予測
生成AIをはじめとする技術革新やプライバシー保護の潮流はモバイルアプリ市場に大きな変...

news078.png

営業との連携、マーケティング職の64.6%が「課題あり」と回答 何が不満なのか?
ワンマーケティングがB2B企業の営業およびマーケティング職のビジネスパーソン500人を対...