この数年の間に、AI(人工知能)技術を使って顔の表情や音声、文字を感情と結び付ける感情分析ツールの開発が進められてきた。まだ早い段階ではあるが、一部の組織はこれを使ったカスタマーエクスペリエンス(CX)の向上に価値を認め始めている。
そうした組織の一つ、Netflixは感情分析を使い、映画の予告編を効率的に短縮して視聴者がもっと手早く映画について判断できるようにすることでCXの向上を図っている。その目標は、本人が楽しいと思った映画をその前面に出すことによって、加入者をつなぎとめることにある。
Netflixと組んで同プロジェクトに取り組んだコンサルティング企業Decoupling.coの共同創業者、ターレス・テーシェーラ氏によると、それまでNetflixは映画制作会社が提供する予告編を使っていた。だが、これは視聴者の集中力が持続しないため、あまりうまくいかなかった。「Netflixがインターネットで流す予告編が増えるほど視聴者は圧倒されて、どれを見るべきか分からなくなっていた」とテーシェーラ氏は分析する。
テーシェーラ氏によると、Netflixはそれまで口コミや簡単な内容紹介に頼って、視聴者がそのコンテンツを気に入るかどうか判断してもらう一助としていた。だがこれは、例えば料理を形容した紹介文を読んでその料理が気に入るかどうかを判断する手掛かりにしてもらうのと同様に、有用性は限られていた。簡単なサンプル以上に心を決めさせる役に立つものはない。
Netflixはまた、レコメンドエンジンを開発して、お薦めの映画が表示される優先順位を決める一助とした。それでもまだ、限られた情報の断片からその映画が気に入るかどうかを予想するのは視聴者次第だ。
映画が気に入るかどうかをユーザーが判断しやすくする目的で、Netflixが短縮版の予告編の実験を始めた時点では、映画会社が提供する予告編の最初の数秒のみを利用していた。だがこれは次善の結果にしか結び付かなかったとテーシェーラ氏は言う。
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