医薬品卸大手のMcKessonは、細密な災害復旧(DR)の計画を作成している。同社のビジネスの停止は患者の生死に関わるからだ。その手段として導入したのが「クラウドDR」だ。採用の決め手は何だったのだろうか。
医薬品や医療用品を販売するMcKessonにとって、ビジネスの停止は文字通り死活問題になり得る。
病院やその他の医療機関は一般的に、ありとあらゆる種類の医薬品を備蓄することはできない。McKessonは医療機関に処方薬や医薬品、医療用品、医療機器などを販売し、平時の補充から緊急時の配布までカバーする医薬品流通サービスを提供している。この重要な物流の停止を防いでいるのが、適切にテストした災害復旧(DR)計画だ。
「当社は医薬品の卸売業者だ。製品の出荷が停止すると、誰かが死に至る可能性がある」。McKessonのDR担当のシニアエンジニア、ジェフリー・フランケル氏はこう述べる。
経済誌Fortuneの企業ランキングに名を連ねる医療系企業大手の一つであるMcKessonでは、約7万人の従業員が世界中のビジネスユニットで働いている。ITの観点から見ると、これらの各ビジネスユニットは自律的に機能している。それら全てを接続する単一のITインフラは存在しない。各拠点には専任ITスタッフがいるが、全員が標準化された技能を持っているわけではない。
McKesson社内の全てのDRは、フランケル氏が所属する中央のDRグループが処理する。その最大の理由は、全てのビジネスユニットにわたってDRを標準化することによって、プロトコルの確立と実行を容易にすることだ。
各ビジネスユニットが使用している仮想化システムはVMware製品やMicrosoftの「Hyper-V」などさまざまだ。ただし「セキュリティとDRについては当社の標準を満たす必要がある」とフランケル氏は言う。
一元化したDRグループ設定によって、復旧のテストと検証が容易になった。これは保険会社と監査人の要求を満たすために特に重要だとフランケル氏は考えている。
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