「データ主導型企業」に必要な人材育成の勘所【前編】
「データリテラシーの高い社員」が「分析ツールを使える社員」よりも貴重な理由
競争力を高めるためにデータ主導型の意思決定を目指す企業は、何をすればよいのか。重要なのは人材育成だが、分析ツールが使える従業員を育てることだけが全てではない。鍵は「データリテラシー」の向上だ。
競争力を高めるために、企業はデータから洞察を得て変化に素早く対処しようとし始めている。データに基づいて意思決定をするデータ主導型企業になるために、企業は何をすればよいのか。
「分析ツールの使い方」よりも「データリテラシー」向上が重要な理由
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社内のデータ分析文化を醸成するには
企業の間でデータとその分析の重要性に関する認識が広がり、ビジネスインテリジェンス(BI)サービスやデータ分析サービス、組み込み分析機能を備えたアプリケーションの利用が進んだ。それに伴い従業員がデータを利用しやすくなってきた。
技術を取り入れるだけでは企業の分析能力は成熟しない。データ主導型企業になるには、企業文化を変え、企業全体でデータやその分析結果を意思決定に利用する必要がある。そのためには従業員のトレーニングが不可欠だ。
データを読み取り、分析するスキルを指す「データリテラシー」という言葉がある。この言葉が含む範囲は広い。特にデータのエンドユーザーとなる従業員にデータリテラシーを身に付けてもらうためには、データの取得元やデータの品質、効果的なクエリの作成方法などについて理解してもらう必要がある。それらの理解には、データモデルや分析アルゴリズムに関する基礎知識の習得が必要なこともある。堅実なデータリテラシーの枠組みを基に、分析的思考について教えることも重要だ。
調査会社Gartnerのフェローでもあるアナリストのリタ・サラーム氏は、以前従業員に教えていたのは分析ツールの使い方だったと振り返る。今ではサラーム氏は、批評的な考え方や状況に応じたデータの使い方に加えて、データ分析には何が有効で、何が有効でないかを理解する方法を教えているという。「これらを理解すれば、提示された洞察の評価が可能になる」と同氏は説明する。
企業は、自社が抱える多様な問題を解決するために、データサイエンティストやデータアナリスト、シチズンデータサイエンティスト(注1)を必要とする。データサイエンティストとデータアナリストは、基本的なデータリテラシー以上の知識が得られるようトレーニングを受けている。それ以外の従業員にもデータリテラシーのトレーニングが必要だ。データリテラシーを習得すれば各自の業務の習熟度が高まる。
※注1:分析の専門家ではないがデータ分析に取り組む従業員。
「データは専門家だけでなく、誰にとっても重要だ」という考え方は広く浸透している。データリテラシーの向上には、データ用語や分析用語の理解だけでなく、それらの用語とビジネス的洞察を組み合わせることが重要になる。「他者とどのように関わり、どのような行動を起こすかが問われる」と、データリテラシーコンサルティング会社Data Lodgeの創設者兼CEO、バレリー・ローガン氏 は話す。
さまざまな職務において、ある程度のデータリテラシーが求められるようになってきた。企業は従業員のデータリテラシー向上に投資する必要がある。従業員も現在のビジネス環境におけるデータ主導の性質に自らを順応させなければならない。
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