「データ主導型企業」に必要な人材育成の勘所【前編】
「データリテラシーの高い社員」が「分析ツールを使える社員」よりも貴重な理由
競争力を高めるためにデータ主導型の意思決定を目指す企業は、何をすればよいのか。重要なのは人材育成だが、分析ツールが使える従業員を育てることだけが全てではない。鍵は「データリテラシー」の向上だ。
競争力を高めるために、企業はデータから洞察を得て変化に素早く対処しようとし始めている。データに基づいて意思決定をするデータ主導型企業になるために、企業は何をすればよいのか。
「分析ツールの使い方」よりも「データリテラシー」向上が重要な理由
併せて読みたいお薦め記事
データ分析関連の注目トピック
- 新型コロナ対策に「BI」などのデータ分析ツールはどのように役立つか
- Gartnerがデータ活用と分析のリーダーに向けて発行した「4つの処方箋」
- 学生数2万人の大学が「データ分析」でオンライン教育を評価 その中身とは?
社内のデータ分析文化を醸成するには
企業の間でデータとその分析の重要性に関する認識が広がり、ビジネスインテリジェンス(BI)サービスやデータ分析サービス、組み込み分析機能を備えたアプリケーションの利用が進んだ。それに伴い従業員がデータを利用しやすくなってきた。
技術を取り入れるだけでは企業の分析能力は成熟しない。データ主導型企業になるには、企業文化を変え、企業全体でデータやその分析結果を意思決定に利用する必要がある。そのためには従業員のトレーニングが不可欠だ。
データを読み取り、分析するスキルを指す「データリテラシー」という言葉がある。この言葉が含む範囲は広い。特にデータのエンドユーザーとなる従業員にデータリテラシーを身に付けてもらうためには、データの取得元やデータの品質、効果的なクエリの作成方法などについて理解してもらう必要がある。それらの理解には、データモデルや分析アルゴリズムに関する基礎知識の習得が必要なこともある。堅実なデータリテラシーの枠組みを基に、分析的思考について教えることも重要だ。
調査会社Gartnerのフェローでもあるアナリストのリタ・サラーム氏は、以前従業員に教えていたのは分析ツールの使い方だったと振り返る。今ではサラーム氏は、批評的な考え方や状況に応じたデータの使い方に加えて、データ分析には何が有効で、何が有効でないかを理解する方法を教えているという。「これらを理解すれば、提示された洞察の評価が可能になる」と同氏は説明する。
企業は、自社が抱える多様な問題を解決するために、データサイエンティストやデータアナリスト、シチズンデータサイエンティスト(注1)を必要とする。データサイエンティストとデータアナリストは、基本的なデータリテラシー以上の知識が得られるようトレーニングを受けている。それ以外の従業員にもデータリテラシーのトレーニングが必要だ。データリテラシーを習得すれば各自の業務の習熟度が高まる。
※注1:分析の専門家ではないがデータ分析に取り組む従業員。
「データは専門家だけでなく、誰にとっても重要だ」という考え方は広く浸透している。データリテラシーの向上には、データ用語や分析用語の理解だけでなく、それらの用語とビジネス的洞察を組み合わせることが重要になる。「他者とどのように関わり、どのような行動を起こすかが問われる」と、データリテラシーコンサルティング会社Data Lodgeの創設者兼CEO、バレリー・ローガン氏 は話す。
さまざまな職務において、ある程度のデータリテラシーが求められるようになってきた。企業は従業員のデータリテラシー向上に投資する必要がある。従業員も現在のビジネス環境におけるデータ主導の性質に自らを順応させなければならない。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用 -
技術文書・技術解説
[NTTインテグレーション株式会社] 「耐量子計算機暗号」(PQC)に今、取り組むべき理由とは? 実現の道筋も解説 -
製品資料
[株式会社リンプレス] どうしたら非デジタル人材を「自走するDX推進者」に変えられるのか? -
製品資料
[アステリア株式会社] 既存システムをAIレディに変える「連携型モダナイゼーション」の手法とは? -
製品資料
[アステリア株式会社] 「データ連携」徹底解説 要件整理から連携手法、ツール選択まで
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
2
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
4
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
5
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
6
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
7
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
8
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
9
「何から始めればいい?」 情報漏えい対策で悲鳴を上げる中小企業のリアル
-
10
1200万円のSaaS導入を回避 スギ薬局「運用費10万円」のAIエージェント構築術
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
3
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
4
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
5
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
6
SASE選定は「見極め力」で大きな差――本当に必要な製品を選ぶための6つの視点
-
7
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
8
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
9
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
10
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー