イーロン・マスク氏によるTwitter社買収の翌月、エンドユーザーから「Twitter」の2要素認証(2FA)の問題について報告が相次いだ。何が起こったのかを整理する。
「2要素認証(2FA)に必要な認証コードをSMS(ショートメッセージサービス)で受け取れない」。2022年11月半ば、Twitter社の同名短文投稿サイトの2FAについて、エンドユーザーからこうした報告が挙がった。
この問題が明らかになった2022年11月14日(米国時間、以下同じ)、Twitter社のイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)が、「ブロートウェア」を排除する旨のツイート(投稿)をしていた。ブロートウェア(Bloatware)とは、利用されないのにコンピュータリソースを占有するソフトウェアを指す。
マスク氏は2022年10月27日、同氏によるTwitter社買収の完了を受けて、同社の経営トップに就いた。Twitterの2FAを巡って何があったのか。
マスク氏のツイート後、「2FAが機能していない」という、Twitterユーザーからの苦情が相次いだ。米TechTargetは2022年11月15日の朝、新しいTwitterアカウントを作成して2FAを試してみたが、認証コードのSMSを受け取ることはなかった。一方で既存のTwitterアカウントへのログインの際は、2FAに成功した。Twitterは2FAの障害について発生を認めておらず、米TechTargetのコメント要請にも応じなかった。
多要素認証(MFA)の技術開発を手掛けるTwilioのセキュリティディレクター、イアン・コールドウォーター氏は、2022年11月14日のツイートで今回の問題を解説。SMSで認証コードを配信するTwitterのマイクロサービス(独立して動作する小規模サービス)が壊れており、デバイスの紛失や機種変更時に2FAを可能にするためのバックアップコードも機能していない可能性があると指摘した。
Twitterのマイクロサービスを無効にする計画をマスク氏が実行したら、数日以内に大規模な障害が発生しかねない――。Twitter社でエンジニアを務めるスヨン・ハン氏は2022年11月14日、こうした趣旨のツイートをした。
後編は、Twitterのセキュリティを巡る動きを紹介する。
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