機械学習やデータ分析などの用途においてはレイテンシの抑制が重要だ。データセンターの設計においては何が求められるのか。そこで「DPU」(データ処理装置)が果たす役割とは。
企業のシステムではCPU(中央処理装置)に負担が集中しており、その課題を解決するための代替の設計が求められている。この問題は一般的な企業のシステムだけではなく、クラウドベンダーなど、大規模データセンターを持つ事業者においても同様だ。この点において「DPU」(データ処理装置)はどのような役割を果たすのか。
Meta(旧Facebook)やAmazon Web Services(AWS)、Microsoft、Googleといったハイパースケーラー(大規模なデータセンターを持つ企業)のデータセンターにおいて「スイッチドネットワーク」の問題が顕在化した。スイッチドネットワークとは、ブリッジ(中継器)やスイッチを取り入れたネットワークを指す。
スイッチドネットワークの問題が生じたのは、組織がデータに価値を見いだし、機械学習などのAI(人工知能)技術や、分析用のデータベースを使ってデータを積極的に活用し始めたことがきっかけだった。
組織が分析するデータ量はP(ペタ)B規模やE(エクサ)B規模に及んでいる。こうした大容量のデータを分析するプロセスでは、レイテンシ(遅延)の大小が非常に重要だ。スイッチドネットワークの仕組みを使うデータセンターの規模が大きくなるほど、レイテンシは大きくなる傾向にある。この問題を解決するため、大規模なデータセンターで使うためのDPUである「ハイパースケールDPU」が生まれた。
ハイパースケールDPUは、DPUの機能を包含する。DPUは、CPUが担っていたタスクの一部を引き受ける機能を持つ。例えばストレージを接続するネットワークのタスクをDPUに担わせることで、ストレージのレイテンシを抑制できる可能性がある。DPUのこの特性に加え、ハイパースケールDPUはスイッチドネットワークにおけるスイッチ数を減らして、レイテンシやコストを抑制できる可能性を持つ。
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