間取り図作成アプリケーション「Planner 5D」のベンダーは、間取り図の作成に時間がかかるというエンドユーザーの不満を解消しようとした。そこで導入したのがAppleの「RoomPlan」だ。その効果とは。
Planner 5D社は、リトアニアのビリニュスに拠点を置くインテリアデザインソフトウェアベンダーだ。同社はエンドユーザーが部屋の間取りを2D(2次元)または3D(3次元)でデザインできるアプリケーション「Planner 5D」を手掛ける。Planner 5Dのエンドユーザーからは「設計したい部屋をトレースして描く作業に時間がかかる」といった声がしばしば上がっていた。処理のスピードアップ方法を探る同社に手を差し伸べたのがAppleだ。
2022年6月、Appleは「RoomPlan」のソフトウェア開発キット(SDK)を発表した。RoomPlanは同社が開発した、部屋の構造をスキャンして3Dの間取り図に変換する機能のAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)だ。スキャンと変換には、機械学習などのAI(人工知能)技術を活用する。
Appleの提案をPlanner 5D社は受け入れ、RoomPlanのSDKをPlanner 5Dに組み込んだ。その結果、エンドユーザーは部屋の間取りの入力に、手描きだけではなくスキャン機能を利用できるようになった(画面)。Planner 5Dは、RoomPlanのSDKで部屋のスキャンを実現し、エンドユーザーが間取り図作成時間を短縮できるようにした。
Planner 5D社の共同設立者であり、最高製品責任者のアレクセイ・シェレメーチエフ氏は、「RoomPlanのスキャン機能を使うことで、部屋のトレースが数分で完了する」と説明する。スキャン機能に対して、同社の最高マーケティング責任者であるマット・クリバシェイン氏も好評価を下す。
RoomPlanのスキャン機能において、エンドユーザーはモバイルデバイスのカメラをスキャナーとして用い、部屋や壁といった物体の寸法、配置を取り込む。Planner 5Dのサーバはエンドユーザーが撮影した画像を受信して、撮影した空間の仮想的な形状を再構築する。3D化した間取りに対して、エンドユーザーは仮想空間内で家具を配置したり、家具の形を変更したりすることが可能だ。
後編は、RoomPlanを導入したことで発生したPlanner 5Dユーザーのクレームと、その理由を紹介する。
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