チームメンバーが異なる場所で別々に作業する場合に、重要になるのがファイル共有の仕組みだ。映画監督のダミアン・レベック氏が取り入れた仕組みとは。
映画製作においては、複数のチームメンバーが映像編集に関わることが一般的だ。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)発生以降、1カ所に集まらない働き方が広がる中、映画製作も変わりつつある。ホラー系の映画監督であるダミアン・レベック氏は、ファイル共有に新たな手法を取り入れた。どのような成果があったのか。
レベック氏は、映像関連の機材やソフトウェアを提供するベンダーBlackmagic Designのストレージ製品「Blackmagic Cloud Store」を採用した。Blackmagic Cloud Storeの中核は、SSDを搭載したNAS(ネットワーク接続ストレージ)だ。オンラインファイル同期サービスの「Dropbox」と同期することができる。
Blackmagic Cloud Storeについてレベック氏は、「プロキシ映像(作業用の軽量な映像ファイル)を編集する際、データ読み書きにおいて十分な性能を備えている」と評価する。一方で、Blackmagic Cloud Storeと同期するDropboxを利用する際は作業のスピードが落ちる傾向にあり、「それが問題点の一つだ」と同氏は言う。
複数人でDropboxなどのオンラインファイル同期サービスを利用する際は、ファイルへのアクセス制御を実施したり、誤ってファイルを削除することを防止したり、データ複製の手間を省いたりする機能が必要だとレベック氏はみる。「オリジナルの映像ファイルの全てに、作業者の全員がアクセスできるようにすべきではない」(同氏)
レベック氏はBlackmagic Cloud Storeを導入したことで、従来の方法で映像を保管したり、編集したりするよりもコストを節約できているという。ただし同氏はBlackmagic Cloud Storeは機能が限定された“ニッチな製品”だと捉えており、将来的には「LucidLink」や「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)といったクラウドストレージの利用も視野に入れているという。
「リモートオフィスがあるとか、複数人で映像ファイルを共有したり、編集したりする場合、Blackmagic Cloud Storeは役に立つ」とレベックは語る。一方で小規模なチームで映像を製作する場合は「Blackmagic Cloud Storeが必要だとは言い切れない」と同氏は言う。
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