セキュリティベンダーCheck Pointは、「Windows」搭載のメッセージングサービスにおける3つの脆弱性を開示した。そのうち1つは“致命的”だという。どのようなものなのか。
セキュリティベンダーCheck Point Software Technologies(以下、Check Point)は2023年4月、MicrosoftのOS「Windows」が搭載する機能に3つの脆弱(ぜいじゃく)性があることを、自社のブログで公表した。そのうちの1つは、攻撃者が悪用していても気付きにくく、全世界の企業を危険にさらす可能性がある。企業は何に注意すればいいのか。
Check Pointのハイフェイ・リー氏がMicrosoftに開示した脆弱性は以下の3つだ。
これらの脆弱性は、Microsoftのメッセージキューイングサービス「Microsoft Message Queuing」(MSMQ)の脆弱性だ。MSMQは、「Windows 11」や「Windows Server 2022」といったMicrosoftのOSが搭載する機能で、アプリケーション間の非同期通信を可能にする。
Microsoftは今回の開示を受け、2023年4月の月例アップデートでパッチ(修正プログラム)を適用し、脆弱性を修正した。他方で36万台以上のWindowsシステムが、脆弱性の影響を受けた可能性がある。
中でもCheck Pointが最も致命的だと指摘する脆弱性が、QueueJumperだ。この脆弱性は、標的のサーバで不正なプログラムを動作させるリモートコード実行(RCE)を可能にする。パッチの適用といった対処をしないままだと、MSMQの一連のプロセスにおいて、攻撃者が悪意あるプログラムをリモート実行できるようになる恐れがある。共通脆弱性評価システムCVSS(Common Vulnerability Scoring System)の評価では、深刻度は最も高い「緊急」(スコア9.8)だ。
中編は、今回のような脆弱性が生まれた背景を説明する。
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