調査会社Gartnerの調査によると、2023年の世界のIT支出は堅調に推移する。ただし全ての分野が堅調なわけではない。明暗が分かれる分野と、その理由とは。
調査会社Gartnerが2023年4月に発表した予測によると、2023年の世界のIT支出は前年比5.5%増加して約4兆6000億ドルになる。世界的な経済の混乱は続きながらも世界全体のIT支出は増加するものの、状況は単純ではない。分野別では明暗が分かれる他、人材不足の問題は依然として解消しない。背景に何があるのか。
Gartnerは、企業がソフトウェアへの支出を優先するとみる。ソフトウェアによって生産性の向上や業務の自動化を図り、競争優位性を確保しようとする傾向が強まっているためだ。
ソフトウェア分野への支出は、2022年は前年比8.8%増の約7940億ドルだった。2023年の成長率の見込みは12.3%増で、2024年までには1兆ドルの市場規模に達するとGartnerは予測している。その一方でデバイス分野への支出は、2023年に4.6%の減少になる見通しだ。消費者の購買力低下と購入意欲の欠如により、デバイスの購入が先送りになる傾向があるからだ。
ITサービス分野は、2024年まで堅調な成長が続く見込みだ。2023年は特に、前年比30%以上の成長を見込むIaaS(Infrastructure as a Service)市場が同分野をけん引する。2022年に1兆2500億ドルだったITサービス分野への支出は、2024年には1兆5000億ドルまで成長するとGartnerは予測する。クラウドサービス分野は使用量の増加だけでなく、価格が支出増加の主な要因になる見込みで、これについて同社は過去にはなかった傾向だと分析する。
GartnerはIT企業における人材削減が目立つ状況においても、熟練したIT人材の不足は続いていると指摘する。IT人材の需要が供給を大きく上回る状態は、少なくとも2026年まで続くという。
「IT技術者がレイオフ(一時解雇)されているからといって、IT人材の不足が解消されたわけではない」とラブロック氏は語る。さまざまな業界の企業が社内のIT分野の支出を抑制しており、企業は賃金の上昇に追随できていない。その結果、同氏は「企業は限られたIT人材を維持するために費用を投じ、人材不足を埋めるために社外のITサービス企業に頼ることになる」と語る。
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