深刻な技術者不足の問題を抱える自動車メーカーJaguar Land Roverは、人材育成プログラムで若手の確保に取り組んでいる。同社の実習生が語った、学びながら働くことのメリットとは。
英国の自動車メーカーJaguar Land Rover(以下、JLR)は2022年9月、人材育成に関するプログラム「Future Skills」の立ち上げを発表した。同社は2022年からの3年間で、デジタル技術と電動化分野で29000人の従業員の育成を目指す。
JLRはFuture Skillsに、16歳以上の若者が実習生として企業で実務経験を積みながら学び、給与を得るという英国政府の人材育成制度「アプレンティスシップ制度」を取り入れている。2023年2月、アプレンティスシップ制度を使って同社で働く実習生2人が、英国の国会議事堂で講演した。
2023年2月、JLRでアプレンティスシップ制度を使って働く実習生約1200人の中から選ばれた2人が、国会議事堂でスピーチ。企業で働きながら週に数日大学で勉強し、学位を取得できるプログラム「Degree Apprenticeships」を利用するメリットについて語った。Degree Apprenticeshipsはアプレンティスシップ制度のプログラムの一つだ。
JLRのパワーエレクトロニクス部門の実習生であるフレイザー・バルザン氏は、物理学の学位取得を目指して就学していたが、同社のDegree Apprenticeshipsへの参加に切り替えた。「経済的な負担が減り、将来のキャリアパスが明確になった」とバルザン氏は語る。
スピーチしたもう一人、エリン・ピュアワル氏はJLRのデジタルテクノロジーソリューション部門で実習生として働く。「データ分析の仕事はビジネスにとって重要。JLRがデータドリブン型のビジネスに適応していく中で、この変化の一端を担えることは素晴らしい経験だ」と語る。ピュアワル氏は、特定のビジネスに特化した技能で就業できることがアプレンティスシップ制度のメリットの一つだと強調する。
これまで、コンピュータサイエンス関係の学部の卒業生は、企業に採用されにくい傾向にあった。企業は「大学を卒業したばかりの学生は即戦力にならない」と主張してきたのだ。アプレンティスシップ制度を通じてビジネスの現場での経験を積むことで、若手でも即戦力として働けるようになる。
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