AI技術を活用する企業の動きが広がり、AI人材の需要は拡大する見通しだ。一方で、AI技術を取り巻く業界は、ある課題を抱えることになる。
世界経済フォーラム(World Economic Forum)が2023年4月に公表したレポート「The Future of Jobs Report 2023」によると、機械学習などのAI(人工知能)技術の専門家は、2023年から2027年までの5年間で需要が成長する職種のトップに挙がっている。AI人材が活躍する企業の事例と、AI技術を活用する業界が直面する課題を紹介する。
フードデリバリーサービス「foodpanda」を運営するDelivery Heroのカスタマーエクスペリエンス(CX)チームは、デリバリーがうまくいかないケースを、AI技術を用いて予測している。同社のアプリケーション開発者は、機能に対する顧客の評価を自動的に認識するためにAI技術を活用している。
東南アジアの銀行大手DBS Bankも、AI技術を積極的に活用する企業の一つだ。同行にはAI技術者で構成したチームが存在し、このチームはAI技術のユースケースを300件以上監督している。例えば以下の例など、ユースケースは多岐にわたる。
Salesforceが同社のブログで公表したAIスキルに関する調査結果「Digital Skills Survey」によると、労働者の58%が「仕事に生成AI技術を活用したい」と回答した他、97%が「企業は従業員の育成戦略において、AIスキルを優先すべきだ」と答えている。調査は11カ国の18歳以上の労働者1万1035人を対象に、委託先の調査会社TRUE Global Intelligenceが2023年2月に実施した。
プロセッサベンダーNVIDIAでソリューションエンジニアリング担当ディレクターを務めるオジー・ジョンソン氏は、「AI技術に関連するキャリアパスは、IT業界の中でも特に魅力的だ」と話す。ジョンソン氏によると、AI技術は次のような技術の基盤となっている。
AI技術を取り巻く業界の雇用機会は爆発的に成長している。一方でジョンソン氏は、「業界にとって大きな障害は、AIスキルを持つ候補者が少な過ぎることだ」と指摘する。逆に言うと、AIスキルを身に付けるためのトレーニングや教育を受ける意欲と能力のある人は、技術分野の中で“引く手あまた”の人材になる可能性があるということだ。「IT業界に多少の浮き沈みがあっても、AIスキルを身に付けていれば、安定した給料や福利厚生、雇用機会を得られる」と同氏は話す。
第2回は、企業が求めるAIスキルとは具体的に何かを解説する。
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