「COBOL」のプログラムを「Java」に高速変換 IBMの一押しツールとはメインフレームと生成AI【後編】

メインフレームで稼働する「COBOL」のプログラムを「Java」に移行する際、生成AIの活用が効果的だとIBMは説明する。具体的にはどういったツールを使うことになるのか。事例と共に紹介する。

2023年10月05日 07時00分 公開
[Cliff SaranTechTarget]

 メインフレームのモダナイゼーション(最新化)を進める際の方法の一つになるのは、プログラミング言語「COBOL」のソースコードを「Java」で書き換えることだ。この作業を迅速に実施するには、どのような手法を採用すればいいのか。IBMが挙げる方法の一つは、AI(人工知能)技術でテキストや画像などを自動生成する「ジェネレーティブAI」(生成AI)の活用だ。

「COBOL」から「Java」への移行で生産性向上も

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 IBMは、ソースコード変換ツール「IBM watsonx Code Assistant for Z」を提供する。同ツールは、AIモデル構築用のツール群「IBM watsonx.ai」を使用している。

 米国のFinTech(金融とITの融合)企業Broadridge Financial Solutions(以下、Broadridge)は、COBOLプログラムの最新化に当たってIBMと協力し、IBM watsonx Code Assistant for Zの活用を検討する。顧客企業のメインフレームアプリケーションを最新化し、業務の生産性を向上させるのがBroadridgeの狙いだ。Broadridgeで資本市場とAI分野のCTO(最高技術責任者)を務めるロジャー・ブルクハルト氏は、「生成AIへの投資は顧客から好評を博している」と話す。

 IBMのメインフレームシリーズ「IBM zSystems」に特化した設計のIBM watsonx Code Assistant for Zは、ソースコード変換の高速性や正確性に強みを持つ。IBM zSystemsの処理能力やレジリエンス(回復力)、セキュリティを維持しつつ、新しい機能を追加することも可能だ。

 IBM watsonx Code Assistant for Zは、IBMが提供するメインフレームアプリケーション分析ツール「IBM Application Discovery and Delivery Intelligence」(ADDI)と併用することで、以下のことが可能になるという。

  • リファクタリング(アプリケーションの動作を維持したまま内部構造を変えること)
  • COBOLのソースコードからJavaのソースコードへの変換
  • テストの自動化

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