レガシーシステムを新しいシステムへと刷新することは、ITの進化の恩恵を享受する上で有力な手段となる。にもかかわらずレガシーシステムの刷新はなかなか進んでいない。それはなぜなのか。
レガシーシステムの刷新は、IT予算の有効な使い道だ。ただし実際にレガシーシステムへの移行に踏み切ることができる企業は、決して多くない。プログラミング言語「COBOL」で開発した古いシステムを、今もメインフレームで稼働させている企業は幾つもある。こうした現状を生んだ原因は何なのか。企業がレガシーシステムを使い続ける6つの理由のうち、4つ目を紹介する。
新しいシステムの導入や、既存システムの刷新には、当然ながら予算の確保が必要になる。企業がいまだにレガシーシステムに依存している大きな理由が、そもそもレガシーシステムから脱却するための予算を確保するのが難しいことだ。
企業は投資利益率(ROI)が高い方法を優先する傾向がある。レガシーシステムの刷新は、その効果が得られるまでに何年も掛かることは珍しくない。短期的な効果を重視する企業は、こうしたプロジェクトに対して、積極的に予算を割こうとしない。
IT調査会社Info-Tech Research Groupのプリンシパルリサーチディレクターであるスニール・ゲイ氏によれば、企業はレガシーシステムの刷新よりも、レガシーシステムにすぐに追加できる、もしくはレガシーシステムとすぐに連携できる機能の開発を選ぶ。「こうした選択は、システムの抜本的なモダナイゼーション(最新化)を先送りしてしまう」とゲイ氏は警鐘を鳴らす。
次回は、5つ目と6つ目の理由を紹介する。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
プロジェクト管理ツールの乱立を解消するため、一本化を検討するケースが増えている。重要な点は“情シス目線”で選定することだ。そこで8つの主要ツールを比較し、多様な業務に対応しつつ、全社最適も実現できるツールの条件を探った。
組織のスリム化を目指し、バックヤード業務を1つの部署に集約したものの、チームごとに業務管理の方法が異なるという、新たな課題を抱えることになったネクスウェイ。これを解決すべく、同社が採用したアプローチとは?
リアルタイム性や生成AI対応などデータベースに対する期待が急速に高まっている。そこで従来のPostgreSQLでは対応が難しかったスピードやスケーラビリティの課題を解消したデータ基盤が注目されている。本資料で詳細を解説する。
生成AIを業務に生かすには、回答の正確性やセキュリティなど、多くの課題を解決する必要がある。そこで注目したいのが、オペレーショナルデータベースと、検索拡張生成(RAG)技術を組み合わせるアプローチだ。
多くの企業でアジャイル開発の手法が取り入れられるようになった一方、欧米企業を中心にアジャイル開発の大規模化が普及している。これに伴い、「テストの工数やコストの増大」「製品全体像の把握の難しさ」といった課題が出てきた。
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...
Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...