レガシーシステムを新しいシステムへと刷新することは、ITの進化の恩恵を享受する上で有力な手段となる。にもかかわらずレガシーシステムの刷新はなかなか進んでいない。それはなぜなのか。
レガシーシステムの刷新は、IT予算の有効な使い道だ。ただし実際にレガシーシステムへの移行に踏み切ることができる企業は、決して多くない。プログラミング言語「COBOL」で開発した古いシステムを、今もメインフレームで稼働させている企業は幾つもある。こうした現状を生んだ原因は何なのか。企業がレガシーシステムを使い続ける6つの理由のうち、4つ目を紹介する。
新しいシステムの導入や、既存システムの刷新には、当然ながら予算の確保が必要になる。企業がいまだにレガシーシステムに依存している大きな理由が、そもそもレガシーシステムから脱却するための予算を確保するのが難しいことだ。
企業は投資利益率(ROI)が高い方法を優先する傾向がある。レガシーシステムの刷新は、その効果が得られるまでに何年も掛かることは珍しくない。短期的な効果を重視する企業は、こうしたプロジェクトに対して、積極的に予算を割こうとしない。
IT調査会社Info-Tech Research Groupのプリンシパルリサーチディレクターであるスニール・ゲイ氏によれば、企業はレガシーシステムの刷新よりも、レガシーシステムにすぐに追加できる、もしくはレガシーシステムとすぐに連携できる機能の開発を選ぶ。「こうした選択は、システムの抜本的なモダナイゼーション(最新化)を先送りしてしまう」とゲイ氏は警鐘を鳴らす。
次回は、5つ目と6つ目の理由を紹介する。
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