「COBOL」のスキルは要らない メインフレーム統合ができる“魔法”の正体脱メインフレームの難しさ、どう解決?【中編】

メインフレームを巡って、プログラミング言語「COBOL」といったスキルの不足が問題になっている。COBOLができなくてもメインフレームのシステム連携を成功に導く方法とは。

2023年07月26日 05時15分 公開
[Aaron TanTechTarget]

関連キーワード

API | 開発プロセス | メインフレーム


 金融系を中心に、一部の組織においてはメインフレームのニーズが根強く残っている。メインフレームを使い続ける際の課題になるのは、クラウドサービスで稼働するシステムなど、他システムとの連携だ。メインフレームと他システムを連携するためのソフトウェアを提供するRocket Softwareは、メインフレームのユーザー組織をどう支援しているのか。

「COBOL」のスキルは不要? その魔法の正体

会員登録(無料)が必要です

 Rocket Softwareは、メインフレームを分散システム(複数のコンピュータが処理を分担するシステム)に移行するためのソフトウェアを提供している。同社でアジア太平洋地域担当のバイスプレジデントを務めるプラヴィーン・クマール氏によると、同社のソフトウェアを使えば、プログラミング言語「COBOL」のスキルを持っていなくても、メインフレームを分散システムに移行できる。

 他にもRocket Softwareは、ローコード/ノーコード開発ツールを使用し、「RESTful API」を構築する方法を提供している。RESTful APIは、Webアプリケーション設計のモデル「REST」(Representational State Transfer)を実装するAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)だ。RESTful APIは、メインフレームと他システムとの連携に使える。

 クマール氏によれば、RESTful APIを活用することで、メインフレーム管理者が不足している中でも、分散システムへの移行作業に取り組むことが可能になるという。「RESTful APIによってメインフレーム用に構築済みのアプリケーションを転用できるので、IT部門の負荷を大きく減らせる」(同氏)


 後編は、クラウドネイティブなアプリケーションが台頭する中でメインフレームはどうなるのか、その「今後」を考える。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

「SATA接続HDD」が変わらず愛される理由とは

HDDの容量が30TB超になると同時に、ストレージ技術はさまざまな進化を続けている。そうした中でもインタフェースに「SATA」(Serial ATA)を採用したHDDが変わらずに使われ続けている。なぜなのか。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

IOPSが5倍に向上&コストも80%削減、エクシングが選んだ大容量ストレージとは

カラオケ業界が直面するデータ増に対応すべく多くのストレージを試し続けた結果、4社27台の製品のメンテナンスに悩まされていたエクシング。この問題を解消すべく、同社は大容量かつコスト削減効果に優れた、新たなストレージを導入した。

製品資料 プリサイスリー・ソフトウェア株式会社

データソート性能向上でここまで変わる、メインフレームのシステム効率アップ術

メインフレームにおけるデータソート処理は、システム効率に大きく影響する。そこで、z/OSシステムおよびIBM Zメインフレーム上で稼働する、高パフォーマンスのソート/コピー/結合ソリューションを紹介する。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

従来ストレージの約8倍の容量を確保、エルテックスが採用したストレージとは

ECと通販システムを統合したパッケージの開発と導入を事業の柱とするエルテックスでは、事業の成長に伴いデータの容量を拡大する必要に迫られていた。そこでストレージを刷新してコスト削減や可用性の向上などさまざまな成果を得たという。

市場調査・トレンド プリサイスリー・ソフトウェア株式会社

クラウド統合を見据えたメインフレームのモダナイズ、3つの手法はどれが最適?

長年にわたり強力かつ安全な基盤であり続けてきたメインフレームシステム。しかし今では、クラウド戦略におけるボトルネックとなりつつある。ボトルネックの解消に向け、メインフレームを段階的にモダナイズするアプローチを解説する。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。