フェリー事業者TDSFが船舶に5Gを導入することで得たメリットは、映像伝送だけではない。さまざまなサービスの提供や、安全につながるセンサーの導入が可能になった。具体的に紹介する。
オーストラリアのフェリー事業者Transdev Sydney Ferries(TDSF)は船舶の安全を確保するため、遠隔から映像で監視するシステムを導入している。安全を確保するには鮮明な映像を映せる「CCTV」(閉回路テレビシステム)用のカメラを広域に設置する必要があり、1日で最大330GBもの容量が必要となっていた。
そこで同社は、「5G」(第5世代移動通信システム)によるネットワークインフラを船舶や埠頭(ふとう)、オフィスに導入した。5Gは、船内や沿岸での公共放送、乗客情報の表示、社内無線LANなどのサービスにも用いられている。その他、同社はどのような用途に5Gを使っているのか。
TDSFは、ネットワーク機器ベンダーCradlepointの製品・サービス群が利用できるプラン「NetCloud Mobile Performance Advanced Plan」を契約している。プランの中にはサイバーセキュリティ対策の機能や車両位置自動検出(AVL:Automatic Vehicle Locator)機能が含まれる。AVL機能を利用したサービスにより、船舶の位置と経路をリアルタイムに追跡することが可能になった。
大型船舶では、数百台の端末がネットワークを通じて情報をやりとりする。TDSFは以下のような安全装置の運用に5Gを活用する。
今回のプロジェクトは、総額41万8946豪ドルに及ぶオーストラリア政府による助成金を受け、2022年9月に完了している。
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