「COBOL」を楽に脱却できれば“メインフレーム最新化”は進むのかメインフレームと生成AI【前編】

企業は今後のビジネス戦略において、メインフレームをどのように位置付けているのか。メインフレームを最新化するにはどうすればいいのか。IBMの調査を基に紹介する。

2023年10月04日 07時00分 公開
[Cliff SaranTechTarget]

 IBMのシンクタンクIBM Institute for Business Value(IBV)は2023年8月、メインフレームで稼働するアプリケーション(以下、メインフレームアプリケーション)のモダナイゼーションに関する調査結果を発表した。調査は2023年4月、IBVと調査会社Oxford Economicsが北米のIT幹部200人を対象に実施した。

 メインフレームはさまざまな企業の業務をいまだに現役で支えている。調査結果によればメインフレームの最新化の必要性を感じている企業は少なくないが、その取り組みは簡単には進まない可能性がある。鍵になるのは、プログラミング言語「COBOL」のソースコードだ。

メインフレーム最新化が必要であるにもかかわらず……

 調査では回答者の約70%が、メインフレームアプリケーションをビジネス戦略の中心に位置付けていた。調査対象の企業が調査時点から2年以内に既存のメインフレームを活用する可能性は、新しいアプリケーションを構築する可能性よりも12倍高かった。

 メインフレームアプリケーションのモダナイゼーションが必要だと指摘する回答者は約70%に上った。一方でメインフレームアプリケーションの最新化に当たっては、スキルを持った人材の不足といった課題が浮かび上がった。

 IBVは、メインフレームアプリケーションの最新化には、AI(人工知能)技術によってテキストや画像を自動生成する「ジェネレーティブAI」(生成AI)の活用が効果的だと強調する。COBOLプログラムのソースコードを、プログラミング言語「Java」で書き換える際に生成AIを活用すれば、ソースコードの評価や更新、確認、テストを効率的に実施でき、捻出した時間をより重要な業務に充てることができるからだ。


 後編は、メインフレームの最新化を支援するIBMのツールについて紹介する。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news061.png

高齢男性はレジ待ちが苦手、女性は待たないためにアプリを活用――アイリッジ調査
実店舗を持つ企業が「アプリでどのようなユーザー体験を提供すべきか」を考えるヒントが...

news193.jpg

IASがブランドセーフティーの計測を拡張 誤報に関するレポートを追加
IASは、ブランドセーフティーと適合性の計測ソリューションを拡張し、誤報とともに広告が...

news047.png

【Googleが公式見解を発表】中古ドメインを絶対に使ってはいけない理由とは?
Googleが中古ドメインの不正利用を禁止を公式に発表しました。その理由や今後の対応につ...