企業は今後のビジネス戦略において、メインフレームをどのように位置付けているのか。メインフレームを最新化するにはどうすればいいのか。IBMの調査を基に紹介する。
IBMのシンクタンクIBM Institute for Business Value(IBV)は2023年8月、メインフレームで稼働するアプリケーション(以下、メインフレームアプリケーション)のモダナイゼーションに関する調査結果を発表した。調査は2023年4月、IBVと調査会社Oxford Economicsが北米のIT幹部200人を対象に実施した。
メインフレームはさまざまな企業の業務をいまだに現役で支えている。調査結果によればメインフレームの最新化の必要性を感じている企業は少なくないが、その取り組みは簡単には進まない可能性がある。鍵になるのは、プログラミング言語「COBOL」のソースコードだ。
調査では回答者の約70%が、メインフレームアプリケーションをビジネス戦略の中心に位置付けていた。調査対象の企業が調査時点から2年以内に既存のメインフレームを活用する可能性は、新しいアプリケーションを構築する可能性よりも12倍高かった。
メインフレームアプリケーションのモダナイゼーションが必要だと指摘する回答者は約70%に上った。一方でメインフレームアプリケーションの最新化に当たっては、スキルを持った人材の不足といった課題が浮かび上がった。
IBVは、メインフレームアプリケーションの最新化には、AI(人工知能)技術によってテキストや画像を自動生成する「ジェネレーティブAI」(生成AI)の活用が効果的だと強調する。COBOLプログラムのソースコードを、プログラミング言語「Java」で書き換える際に生成AIを活用すれば、ソースコードの評価や更新、確認、テストを効率的に実施でき、捻出した時間をより重要な業務に充てることができるからだ。
後編は、メインフレームの最新化を支援するIBMのツールについて紹介する。
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
開発と運用を一体化するというDevOpsにセキュリティを組み込んだDevSecOps。この手法を活用して、セキュアかつレジリエントなアプリケーションを開発するためにはどうすればよいのか。実践的な5つのベストプラクティスを紹介する。
DX推進のため、レガシーシステムの刷新を検討する企業は多いが、当時の担当者が退職している、ドキュメントがないなどの理由から難航するケースが後を絶たない。そこで注目される解決策が、生成AIを活用したリバースエンジニアリングだ。
ソフトウェアテストは生成AIと相性の良い領域の1つだ。脆弱性の洗い出しやテスト設計・実行の自動化など、さまざまな工程で改善が期待できる。ただ、問題となるのが、その推進役となるAI人材の不在だ。どのように人材育成すればよいのか。
コンテナイメージのファイルサイズ削減は、コンテナの軽量化・高速化をもたらし、クラウドコストの最適化に貢献する。削減を実現する鍵となるのが、ベースイメージの選定にある。本資料では、主要なベースイメージの特徴を解説する。
掲示板に1日数万件の投稿があり、不適切コメントが見逃されるなどの課題があったある企業。この現状を打破すべく導入されたのが、大手クラウドベンダーが提供する生成AIの基盤モデル活用サービスだ。その効果や、運用の秘訣を紹介する。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...