2024年7月、CrowdStrikeの更新プログラムに不具合が生じ、Windows搭載PCが機能不全に陥った。この障害から得られた教訓を基に、ソフトウェア開発者には“ある行動の変化”が起きている。
2024年7月、セキュリティベンダーCrowdStrikeの更新プログラムに不具合があり、MicrosoftのOS「Windows」を搭載した約850万台のデバイスに影響を及ぼした。世界中のWindows搭載PCがブルースクリーン(OSに深刻なエラーが発生した場合の青い画面)のエラーを発生させ、機能不全に陥った。この障害から約6カ月が経過し、ソフトウェア開発者には“ある変化”が見られるという。
ITコンサルティング企業Adaptavist Group(Adaptavistの名称で事業展開)は、米国、英国、ドイツの売上高1000万ドル以上の企業に所属するソフトウェア開発者400人を対象に調査を実施した。それによると、CrowdStrikeの障害を受け、開発者はベンダーとの関係を見直し、単一のベンダーに依存する状態から脱却する動きを見せている。
調査結果によると、開発者の約10%が単一ベンダーへの過度の依存を「耐障害性を脅かす最大の要因」と考えていることが分かった。開発者の約42%は「取引先のベンダーが重大なインシデントを引き起こす可能性がある」と回答するなど、悲観的な見方が広がっている。
こうした警戒感は、開発者の行動に変化をもたらしている。回答者の約27%がソフトウェアベンダーやサービスベンダーの多様化を積極的に進め、約57%は同様の取り組みを検討中と答えた。既存ベンダーとの関係を見直す一方、代替手段としてオープンソースの製品やサービスを導入するユーザー企業も出てきた。
ソフトウェア開発者は、外部のベンダーに対してだけでなく、自社での取り組みを見直す必要性も認識している。その結果、アップデートの延期や社内開発の増加などの動きが見られる。CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)、ストレステスト、モニタリングなどへの関心も高まっている。
Adaptavistの最高技術責任者(CTO)であるジョン・モート氏は「調査結果は、ソフトウェア業界とベンダーとの関係性が根本的に変化していることを示唆している」と述べる。モート氏は「ベンダーと連携するメリットを維持しながらも、耐障害性を確保する方針に移行している」と説明する。
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