2025年のITトレンド10選【後編】
「AIエージェント時代」がやって来る 企業はどう備えるべきか
ビジネスにおけるAI導入が広がる中で、「AIエージェント」の登場に関心が寄せられている。企業はどう備えるべきなのか。押さえておくべきトレンドを3つ解説する。
2024年は、企業における生成AI(AI:人工知能)の試験導入が進んだ年だった。2025年には、その本格的な運用とさらなる拡張が加速すると予測される。そうした中で、企業はどのようにAI時代に備えるべきなのか。データやインフラの準備から、将来的な生成AIの進化の見通しまで、2025年のIT市場のトレンド10選のうち、3つを紹介する。
企業は「AIエージェント時代」にどう備える?
併せて読みたいお薦め記事
連載:2025年のITトレンド10選
AIに関する最新の話題
8.AI時代に求められるインフラの要素
2024年、ビジネスにおける生成AIの試験導入が始まった。2025年は、企業は生成AIの本格的な導入や拡張を目指すことになる。
クラウドサービスとオンプレミスインフラを併用する「ハイブリッドクラウド」や、複数の異なるクラウドサービスを併用する「マルチクラウド」の活用が不可欠になる――。そう話すのは、データ管理ツールベンダーClouderaでAPAC地域シニアバイスプレジデントを務めるレムス・リム氏だ。
企業は、AIモデルをデータのある場所に配置し、必要なデータを自由に動かせるようにすることが重要だ。そのためには、オンプレミスインフラとクラウドサービスの両方をうまくつなげて管理できるシステムが必要になる。これにより、広範なデータセットへのアクセスを確保しつつ、AIモデルのセキュリティやガバナンスを維持することが可能になる、とリム氏は説明する。
9.データ準備の必要性
企業はAIモデルの成果を最大化するために、より多くのデータを活用しようと考える。そのため、ストレージベンダーPure Storageの予測によれば、データのサイロ化(連携せずに孤立した状態になること)解消に取り組む動きが継続する。
同時に企業は、データ品質の向上、データアクセス性の改善、チーム間のデータ共有の促進などに取り組む必要がある。これにより、より正確な意思決定や、顧客体験価値(CX)の向上、持続可能な成長を実現し、AI時代における競争力の向上が可能になる。
10.「AIエージェント」の台頭
新たに関心を集めているのが「AIエージェント」だ。AIエージェントとは、業務の流れの中でリアルタイムに意思決定を行い、タスクを自律的に遂行できるシステムを指す。Informa TechTargetの調査部門Enterprise Strategy Group(ESG)の調査レポートによると、既に70%の企業がAIエージェントの導入を計画、もしくは検討中であるという。
CRM(顧客関係管理)ツールベンダーSalesforceのASEAN(東南アジア諸国連合)ソリューション部門バイスプレジデント兼CTO(最高技術責任者)ギャビン・バーフィールド氏は、「2025年には、AIエージェントが実際に現場で使われるようになり、具体的な成果を得られるようになるだろう」と話す。そのためには、生成AIが適切なデータに基づき、業務プロセスに組み込まれることが不可欠だという。
AIエージェントは自律的に業務を遂行できるため、人材不足の問題、さらにはAIスキルの不足を解決する役割も担うと期待される。
「AIに対する懸念も徐々に薄れていくだろう」とワヒ氏は話す。「2024年、APAC地域における労働者の約53.5%が、AIによる雇用の喪失を懸念していた。2025年にはこうした懸念は和らぎ、「AIとの協働」により焦点が移る見込みだ。「AIエージェントは従業員の業務を支援する存在だ。人間はより戦略的な仕事に集中できるようになる」(同氏)
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
米国Informa TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[NTTインテグレーション株式会社] 取引先のセキュリティをどう管理する? 「SCS評価制度」対応の勘所を解説 -
製品資料
[NTTインテグレーション株式会社] SCS評価制度「★4」取得のカギ 最大の壁を突破する方法とは? -
製品資料
[NTTインテグレーション株式会社] 2026年度末から運用開始 「SCS評価制度」に備えて製造業がやるべきことは? -
事例
[ネットワンパートナーズ株式会社, アイビーシー株式会社] ハイブリッド環境の一元管理と快適な無線LAN環境、三井ホームはどう実現した? -
市場調査・トレンド
[TD SYNNEX株式会社] 調査で学ぶセキュリティ運用の実態 人を増やさず品質を維持する方法とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「業務改善とツール活用」に関するアンケート
-
2
1200万円のSaaS導入を回避 スギ薬局「運用費10万円」のAIエージェント構築術
-
3
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
-
4
BMWも導入 78兆円市場に化ける「フィジカルAI」の衝撃
-
5
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
6
IT製品の導入に関するアンケート「PC&デバイス」編
-
7
AIがサイバー攻撃調査を拒否? セキュリティ企業が単一モデル依存から脱却する理由
-
8
【基本情報技術者試験】そもそもOSは何をしている? 「ジョブ管理」の仕組みを解説
-
9
【基本情報技術者試験】データを複数ディスクに分散する「RAID」の仕組みと特徴
-
10
OpenAIがコスト半減のGPT-6新モデル投入 Claude猛追とOSS包囲網で激化する価格戦
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
2
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
3
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
4
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
5
5分で分かる Microsoft 365のデータ損失に備えるためのバックアップの仕組み
-
6
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
7
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
8
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
9
ソフトウェア開発の属人化と手戻りをどう防ぐ? 速さと品質を両立させる方法
-
10
ランサムウェア攻撃“究極の対策”はこれだ
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー