ビジネスにおけるAI導入が広がる中で、「AIエージェント」の登場に関心が寄せられている。企業はどう備えるべきなのか。押さえておくべきトレンドを3つ解説する。
2024年は、企業における生成AI(AI:人工知能)の試験導入が進んだ年だった。2025年には、その本格的な運用とさらなる拡張が加速すると予測される。そうした中で、企業はどのようにAI時代に備えるべきなのか。データやインフラの準備から、将来的な生成AIの進化の見通しまで、2025年のIT市場のトレンド10選のうち、3つを紹介する。
2024年、ビジネスにおける生成AIの試験導入が始まった。2025年は、企業は生成AIの本格的な導入や拡張を目指すことになる。
クラウドサービスとオンプレミスインフラを併用する「ハイブリッドクラウド」や、複数の異なるクラウドサービスを併用する「マルチクラウド」の活用が不可欠になる――。そう話すのは、データ管理ツールベンダーClouderaでAPAC地域シニアバイスプレジデントを務めるレムス・リム氏だ。
企業は、AIモデルをデータのある場所に配置し、必要なデータを自由に動かせるようにすることが重要だ。そのためには、オンプレミスインフラとクラウドサービスの両方をうまくつなげて管理できるシステムが必要になる。これにより、広範なデータセットへのアクセスを確保しつつ、AIモデルのセキュリティやガバナンスを維持することが可能になる、とリム氏は説明する。
企業はAIモデルの成果を最大化するために、より多くのデータを活用しようと考える。そのため、ストレージベンダーPure Storageの予測によれば、データのサイロ化(連携せずに孤立した状態になること)解消に取り組む動きが継続する。
同時に企業は、データ品質の向上、データアクセス性の改善、チーム間のデータ共有の促進などに取り組む必要がある。これにより、より正確な意思決定や、顧客体験価値(CX)の向上、持続可能な成長を実現し、AI時代における競争力の向上が可能になる。
新たに関心を集めているのが「AIエージェント」だ。AIエージェントとは、業務の流れの中でリアルタイムに意思決定を行い、タスクを自律的に遂行できるシステムを指す。Informa TechTargetの調査部門Enterprise Strategy Group(ESG)の調査レポートによると、既に70%の企業がAIエージェントの導入を計画、もしくは検討中であるという。
CRM(顧客関係管理)ツールベンダーSalesforceのASEAN(東南アジア諸国連合)ソリューション部門バイスプレジデント兼CTO(最高技術責任者)ギャビン・バーフィールド氏は、「2025年には、AIエージェントが実際に現場で使われるようになり、具体的な成果を得られるようになるだろう」と話す。そのためには、生成AIが適切なデータに基づき、業務プロセスに組み込まれることが不可欠だという。
AIエージェントは自律的に業務を遂行できるため、人材不足の問題、さらにはAIスキルの不足を解決する役割も担うと期待される。
「AIに対する懸念も徐々に薄れていくだろう」とワヒ氏は話す。「2024年、APAC地域における労働者の約53.5%が、AIによる雇用の喪失を懸念していた。2025年にはこうした懸念は和らぎ、「AIとの協働」により焦点が移る見込みだ。「AIエージェントは従業員の業務を支援する存在だ。人間はより戦略的な仕事に集中できるようになる」(同氏)
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