モバイル端末のセキュリティ対策と言えば、「iOS」や「Android」に注目が集まりがちだが、もう1つ忘れてはならないモバイルOSがある。「Windows Phone 8」だ。同OSのセキュリティ対策を計画する際に検討すべきポイントを紹介する。
セキュリティリスクが急速に増大しているにもかかわらず、ネットワーク管理者はモバイル端末の統制が取れなくなってきていることを実感している。世間の注目を集めるのは基本的に「iOS」や「Android」を搭載した端末についてだが、「Windows Phone 8」のセキュリティに関してはどうだろうか。
米Microsoftのモバイル戦略は、よく言って「予測できない」。企業によっては、Windows Phone 8の管理やサポートの計画すらないかもしれない。しかし、計画が立てられていない端末であっても、エンドユーザーの利用は十分に考えられるので、そのことを見越して計画を立ててほしい。
Windows Phone 8のセキュリティ対策を計画する際に検討すべきポイントを以下に示す。
達成しようとしている事業目標は何だろうか。Windows Phone 8も含めモバイル端末が「ActiveSync」やインターネット接続、ファイルアクセスのためにネットワークに接続するのを認める前に、満たすべき特定の要件や情報リスク対策の基準を設定しているだろうか。
自社環境内で現在使われているWindows Phone 8端末の数を把握しているだろうか。Windows Phone 8の使用状況を確認し、Windows Phone 8のセキュリティをサポートするモバイル製品を探せるようにしておくとよいだろう。
ユーザーが実施するWindows Phone 8システムの同期/バックアップ方法を把握しているか。十分に安全で適切なツールが使われているか。
ここで考えられるリスク対策の不備としては、パスワードによる保護を設定していない、Windows Phone 8のデータを暗号化されていないノートPCに保存している、というケースをよく目にする。これでは、データ漏えいがいつ起きてもおかしくない状態だ。多くのユーザーが、自分たちの端末には価値のある情報などないと言うだろうが、そんなことはない。価値ある情報は通常、電子メール、非構造化ファイル(Excel、PDF、Wordのファイルなど)、仮想プライベートネットワークおよびリモートデスクトッププロトコル(RDP)接続の形で存在している。
Windows Phone 8のセキュリティには、どのようなパスワード、システムアップデート、マルウェア対策、暗号化(特に、microSDカードを使う場合)が必要になるのか。既存のセキュリティ標準をWindows Phone 8にも適用できるだろうか。
Windows Phone 8のメインストリームサポートは、2014年7月に終了する予定であることにも注意してほしい。Windows Phone 8は提供開始されたばかりなので、いささか驚きだが、仕方がない。サポートが終了したら、Windows Phone 8端末のセキュリティアップデートも提供終了になる。
さて、Windows Phone 8専用のモバイルセキュリティ戦略を用意すべきだろうか。それとも、「Windows Phone Blue」(Windows Phoneの次期版)がリリースされてから要件を決めるべきだろうか。筆者はどちらの考えにも賛成できない。経験則からすると、Microsoft製品のみにこだわらず、モバイル端末全般を対象に戦略を考えるのがベストだ。
社内では間違いなく複数種類のモバイルプラットフォームが使用されている。従って、モバイルセキュリティに関しては大局的に考えよう。プラットフォームに関係なく、最も常識的なセキュリティコントロールを全体に適用する。米Fiberlink Communications、米Mobile Active Defense、米AirWatchといったベンダーのMDM(モバイルデバイス管理)およびモバイルセキュリティ製品は、Windows Phone 8に対応しているので、利用を検討すべきだ。
Windows Phone 8も含め、複数のモバイル端末プラットフォームに正式対応していないとしても、モバイルは既に定着している。社内の他部署と連携して、自社の企業文化に最適なモバイルセキュリティ戦略を考案しなければならない。
BYOD(Bring Your Own Device)の波が押し寄せて以来、IT部門は、モバイル端末の紛失や盗難を制御できないことを思い知らされたが、完全に不可能なわけではない。Windows Phone 8は競合製品と同様、コンシューマーを対象としているものの、IT部門によるある程度の管理は可能だ。潜在する影響を最小限に抑えるための措置を適切に講じてさえいれば、モバイル端末が急速に普及しても、それが企業の損失を意味することにはならない。
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