失敗しない「学校IT製品」の選び方:不正侵入対策編【前編】
学校システムへの不正侵入が招く「最悪のシナリオ」とは?(1/3 ページ)
システムやネットワークへの不正侵入事件は企業だけではなく、IT化が急速に進む教育機関でも起きている。不正侵入をどう防ぐべきか。侵入判明時にはどう対処すべきなのか。
「Windows 95」の発売で、当時はまだ単なる電気街だった秋葉原に行列ができた1990年代。その後のインターネットの普及が、19世紀の産業革命に匹敵する大きな変革として「IT革命」と言われ始めたのは、もう20年も前の話になる。その後、このIT化の潮流が大学をはじめとする高等教育機関に到達するのに、それほど時間は掛からなかった。だが小・中学校および高等学校には、その流れはすぐに到達せず、現在まで黒板と紙の教科書とノートを中心とした“非IT”の時代が続いている。
そんな小・中学校や高校にも、国家戦略の柱の1つとしてITの本格導入の方針が決まり、2020年までの具体的な数値目標が定められた。そして文部科学省や総務省が、教育機関へのIT普及のために多くの施策を打っている。あと数年もすれば、日本全国の小・中学校や高校に、何らかの形でITが普及していくことは確実だ。
小・中学校や高校では今後、大学や企業などから約20年遅れてIT導入が一気に進む。中でも活発なのは、効果的なIT利用を下支えするデバイスやネットワークといったシステムインフラの整備だ。中でもネットワークは、情報の共有や発信に不可欠だが、不正な接続があった場合には重要な情報を見られたり、壊されたり、盗まれたりするリスクを含む。
オンラインサービスの重要性が高まる今、IT活用はネットワーク接続なしには考えられなくなった。だがシステムの運用管理の経験がない教育現場や教育委員会にとって、ネットワークは非常に厄介な代物でもある。不正侵入する百戦錬磨の攻撃者は、システム運用側のスキルが低いからといって手を抜いてくれることはない。むしろその逆で、よい“カモ”として情報漏えいや外部組織への攻撃の踏み台として利用することだろう。
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失敗しない「学校IT製品」の選び方:セキュリティ編
そもそも「不正侵入」とは何か
不正侵入(不正アクセス)はインターネットの普及に合わせて顕在化し、2000年に施行された「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(不正アクセス禁止法)で初めて、以下のように定義された。
- 他人のIDを利用して、本来与えられている権限以上の情報の閲覧または利用をすること
- 脆弱(ぜいじゃく)性などを利用して、制限されている行為を行うこと
- 他のネットワーク機器を利用して、制限されている行為を行うこと
これにより法律上の定義が定まり、不正侵入が犯罪になった。上記3項目をざっくりと要約すると、不正アクセス禁止法は「許可なくネットワークや各機器にアクセスすること」を不正侵入だと見なす、ということになる。
この3項目だけを見ると、責めるべきは許可なく侵入した方であり、たとえ脆弱性があってもシステム管理者の責任は問わないかのように見える。だが、それは法律の文言だけの話であり、「システム管理者側が対策をしなくてよい」ということではない。気を付けるべきなのは、不正侵入対策は「システムの管理者の義務」だということだ(図1)。
そのため不正侵入が発生した企業は、被害者であるにもかかわらず、社会から責任を追及されることになる。役職者や責任者が一斉に頭を下げる謝罪会見をし、システムの管理体制や侵入のいきさつなどの説明責任を果たさなければならない。その上でさらなる社会的な制裁や処罰も覚悟する必要がある。
「被害者なのに理不尽だ」と思われるかもしれない。だが教育機関の情報システムは、成績や生徒指導のような非常にセンシティブなプライバシーデータを扱うのだから、社会の目が厳しくなるのは仕方がないと考えるのが自然だ。もしITを導入する役割があなたに任せられたとしたら、それは「世界の攻撃者から子どもを守る」ことと同義の重要事項だと考えていただきたい。
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失敗しない「学校IT製品」の選び方
教育機関がIT製品を導入する際、どのような点に気を付けて製品選定を進めればよいのか。製品分野の基礎知識をおさらいしつつ、製品選びのポイントを伝授する。
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